久々のランニング

歩道に積もった雪がようやくとけてきたので、ほぼ1ヶ月ぶりに走ってきた。

 

久しぶりなので、体の調子を確認しながら、ゆっくりゆっくり走りだす。雪の中の徒歩通勤や雪かきで結構運動しているつもりだったが、少し体重が増えているのか重く感じる。最近読んだ「ゼロベースランニング」や「アレクサンダーテクニーク」の内容を思い出しながら走る。意識したのは、

  • 歩幅を無理に拡げない。重心の真下で着地するイメージで
  • 足首で蹴らない。足首は柔らかく。足の裏全体で前方の地面をそっと手前に引き寄せて、最後に母指球で地面を抑える感覚で
  • 肩、腕は胸骨でぶら下げて脱力。腕は後ろに降るのではなく、下に引き下げる感覚で
  • 首回りも脱力。頭が体の動きに合わせてフラフラ動けるように
  • 脱力して体全体を重力に任せて地面にあずけるつもりで

 

柔らかい日差しの下、ゆっくりと脱力してフラフラ走るのがこんなに気持ちいいとは。どこまでも走り続けたいと思ったが今日は無理しない。杜の里のイオンで引き返して47分走った。

 

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おむすび

お弁当におむすびを持っていくようにしている。

 

朝に炊いたご飯を、大きめの茶碗一膳分おむすびにして、プラスチック製のおむすびケースに入れて持っていく。おむすびだけのこともあるし、朝食の味噌汁の残りを保温ポットに入れて持っていくこともある。胃の中に温かいものを入れると満足感が増す。

 

紫蘇の粉やシャケのふりかけを混ぜ込んでおむすびにすることもあるが、梅干しを入れた塩むすびに勝るものはない。この前はふと思いついて、焼いたスパムを中に入れて、カレー粉をまぶしたご飯でおむすびを作ってみた。いいアイディだと思ったが、それほどうまくなかった。

 

今使っているおむすびケースは、カバンの中で形が崩れることがないので気に入っているが、水分を逃してくれないのが残念だ。作りたてを入れると結露して湿っぽくなる。ラップでおむすびを握ってそのままに持っていくのもお米が湿っぽくなるので好きでない。カバンの中でおむすびの形を保ってく、湿気も吸収してくれるおむすびケースはないだろうか。

 

最近ようやく気がついたのだが、おむすびは固く握りすぎてはいけない。出来立てを食べるのならいいが、冷えるにつれてご飯がどんどん締まって、お昼には団子のようになってしまう。今はおむすびの形がかろうじて維持できる程度に、ふわっとにぎるようにしている。お昼にはちょうどいい硬さになる。

 

葬式の時にお手伝いに来てくれる人たちのために作る塩むすびが好きだった。梅干しも入っていないし海苔も巻かない、側面にゴマを少しつける塩味だけのおにぎり。たくさん作り置きするので、お米の表面がさらっと乾燥して口触りがいい。ちょっとだけつけたゴマの香りがアクセントになる。三角にすべきか、俵型にすべきかで、台所のおばさんたちが揉めていた。子供の頃はこのおにぎりが旨くて、たくさん食べ過ぎて胸が酸っぱくなった。

 

今はセレモニーホールでお通夜も葬式もするので、大量のおむすびを家で作ることもなくなったけれど、あのおむすびは旨かった。

母と過ごす

土曜日に一人暮らしの母の様子を見てきた。

 

この前の大雪の時は、ご近所の方々に雪かきや買い物で助けてもらったそうなので、手土産を持ってお礼に回る。お礼に行ったはずが、「あらー、久しぶり。よくきたね。」と大根やら白菜をたくさんもらう。

 

書道の団体の年次総会の案内状を往復はがきに印刷したいので、パソコンを見てくれという。文字の入力は出来るのだが、書式を整えたり印刷の設定をするのが苦手のようだ。往復はがきの往信と返信の文面がテレコになっている。30分ほど二人ですったもんだして、ようやくうまい具合に印刷できるようになる。

 

夜は鰤カマの塩焼きとナメタガレイの煮付け、白菜をシーチキンで煮たの、私が持参した牡蠣のオイル漬け(牡蠣は広島に住む母の妹が送ってくれた)、で晩御飯。テレビでオリンピックのカーリングの試合の見ながら食べる。「どうなったら勝ちで、何点入るのか?」と聞くので、「サークルの中心に1番近い場所に石を置いたほうが勝ちで、相手の石の中で最も中心に近い位置にある石よりも中心に近い位置にある自分の石の数が点数になる。」などとできるだけ正確に伝えようとするのだが、文字に起こしてみると自分でも何言ってるのかわかりづらい。

 

11時前には二人とも眠くなったので寝る。朝はチーズトーストにコーヒーを食べて、7時15分頃には実家を後にする。

本日の日本海

加賀市の実家近くの海岸から打ち寄せる波を眺める。海岸までの道路は除雪されておらず、長靴履いて歩いて行く。

 

写真を撮ろうとiPadを構えると、強風に飛ばされそうになる。波しぶきが霧のように舞っているのでしばらくすると全身湿っぽくなる。

 

海岸のテトラポットや堤防に波がぶつかって砕け散る様子や、沖の方から次々と押し寄せる波を眺める。波はどれ1つとして同じ形にならない。北斎の絵のように綺麗な波もあれば、中途半端に崩れてぐじゃぐじゃになった波。堤防を超えるような大きな波を期待して待つが、なかなか来ない。かと思いきや来るときは立て続けにやって来る。

 

寒ささえ耐えられれば、ずっと見てられる。

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何人で呑むか

昨日は気の合う友人3人で飲みに行った。一晩あけて何の話をしていたのかほとんど覚えていないが、楽しかったという感覚だけが、内蔵の疲労感とともに残っている。

 

飲みに行くなら3人くらいまでかな、と思う。それより多いと色々疲れる。仕事がらみの懇親会なら仕方ないが、プライベートなら出来るだけ少人数でじっくり話したいと思う。3人ならカウンターでも全員が1つの話題に集中できるし、他の2人で盛り上がっている会話を傍らで聴いているのも好きだ。

 

2人なら相手はよく話す人がいい。相手の話を聞いて相槌うって、ときどき自分のことも話すくらいがちょうどいい。話す割合は相手が8割、自分が2割。お互い親しくて、少々無言で過ごすことも気にならないくらい気を使わない相手なら、ぼつりぼつりと呟きながら燗酒を酌み交わすのもいい。

 

気が向いた時にふらりと呑みたいし、職場関係だと誘うのも誘われるのもいろいろと気を使うしので、最近は1人のことが多い。よく知っている店に出かけてご主人と話ながら呑むこともある。また、大箱の店で周りがガヤガヤしている中、カウンターで1人でボーッとしたり、文庫本を読みながら過ごすこともある。金沢だといろんな人が入れ替わり立ち代り出入りして、1人でもふらっと入れて、安いお店が少ないのが寂しい。駅の「黒百合」や「白山茶屋」が良かったのだが、新幹線開業以降はいつ行っても満員でなかなかは入れない。

 

フレンチトースト

娘が3日前からフレンチトーストが食べたいと言い続けていたので、朝食に作ろうと昨日スーパーで5枚切りの食パンを買ってきた。夜中の3時に目が覚めてネットでレシピを調べてみると卵を溶いた牛乳に半日くらい浸しておく様だったので、4時に起きだして仕込を始める。卵5個を牛乳200ccに溶いてスプーン2杯砂糖を入れる。そこに6つに切った食パンにつける。少し多いかと思いながらも一斤全部仕込む。

 

7時半になって妻と娘が起きたところでフレンチトーストを焼き始める。サラダオイルとバターをフライパンに熱して食パンを投入。弱火で蓋をしてじっくりと焼く。両面にこんがりと焼き色がついたら、ふわっふわっのフレンチトーストの完成。

 

メープルシロップをひたひたにかけて食べた。作りすぎて残すかと思いきやペロリと全部食べてしまいました。

 

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町内一斉雪かきの日

今日は一斉雪かきの日。町内で時間を決めて一斉に生活道路の雪かきをする。

 

まずは、自分の家の前の道路。車が踏み固めて岩盤のようになった雪を掘り起こす。昨日からの暖かさと雨で雪が緩んできたため車がスタックしやすくなっているので、この上にさらに雪が積もると面倒なことになるのだ。スコップを上から突き立てて適当な大きさの割れ目を入れてから路面と氷の間にスコップを入れるとポコっとレンガ状に雪の塊が剥がれる。この作業をひたすら繰り返して、家の前から融雪装置のある道路まで約30メートルを綺麗にする。近所の人たち5人でやったので1時間ほどで完了した。

 

次は、アパート横の路地。先週の大雪以来全く手付かずになっていて、今も車が通れない状態。そこを20人がかりの人海戦術で除雪する。掘り起こした雪はママさんダンプに乗っけて用水路まで運ぶ。しばらくすると町内会で手配した重機がやってくる。人間30人分くらいの働きだ。一気に路面があらわれる。ただ、もっと路地の奥まったところがもっと除雪が大変とのことで、すぐにそちらへ行ってしまったので除雪した雪を用水路まで運ぶのは人力ですることに。

 

雪の山を片付け終わったのはお昼前。約4時間休みなしに夢中で作業した。お腹が空いたので娘と二人で、マクドナルドでビックマックにかじりつく。肩やら腰やら足が疲れたので、午後はお風呂へ。1時間ほどじっくりお湯に浸かって、ハムカツで生大を飲んで家に戻って夕方まで昼寝。

 

今晩からまた寒波が来るとのこと。雪がちらついている。もう雪かきはご勘弁を。

牡蠣のオイル漬け

広島の叔母が牡蠣をたくさん送ってくれた。数えてみると45個もある。殻は小ぶりだけれど身はぷっくりと大ぶりで、蒸し焼きにして妻と2人で10個くらい食べるとお腹いっぱいになった。残りはオイル漬けにした。

 

蒸し焼きにした牡蠣を殻から外してオリーブオイルを引いたフライパンに入れる。火にかけると牡蠣から水分が出てくる。牡蠣のエキスを身に絡めるように煮詰める。あらかた水分がなくなったところで少し醤油をたらす。牡蠣とニンニク、唐辛子、ローリエを広口瓶に入れオリーブオイル注いで完成。1週間後くらいが食べごろ。

 

牡蠣を煮詰めていたフライパンに茶色いグリス状のものがこびりついていたので竹ベラでこそぎ取って舐めてみると、ものすごい旨味。これがオイスターソースか、行儀悪いけで竹ベラを手放せなくなった。

 

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開会式

晩御飯の時にテレビをつけるとオリンピックの入場行進をやってた。見るでもなく眺めていると、オリンピック旗を掲げた集団が入ってくる。ロシアの選手たちだ。国ぐるみでドーピングをしたということで、ロシアは今回国としては参加できないけれど、ドーピングに関係がない選手は個人として参加できる。それで国旗ではなくオリンピック旗のもと入場行進しているのだ。

 

ロシアだけと言わず、標準記録なり予選大会を勝ち抜いた選手全員が国と関係なく個人として参加することにすればいいんでないのと思った。

 

そうすれば、オリンピックに出場することを目的に、国籍を変えるという妙な動きも無くなるだろうし、オリンピックをだしに使った政治や経済を巡るあれこれも無くなるだろう。

 

歳をとってオリンピックに興味がなくなったのか、お祭り騒ぎにはどうもついていけない。

晴れ間に散歩

ようやく晴れて寒さが緩んだので、ぶらぶらと散歩に出かけた。

 

歩道はまだまだ除雪が進んでいない。踏み固めた雪の凸凹の一本道をバランスをとりながら歩く。駐車場から雪に埋もれた車を掘り出す人、家の前の雪かきをする人、踏み固められた路地の雪を重機を使ってひっぱがす人など、晴れ間をつかまえて除雪を進めようという人がたくさん作業している。今日はコートのフードを被らなくても、手袋なしでも歩けるくらい暖かくて気持ちいい。

 

まずは兼六園。木の枝に積もった雪が溶けた雫があちこちで落ちてくる。時々どさっと雪が落ちてくるので頭上を確認しながら歩く。

 

ことじ灯籠

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唐崎松

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石川門

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宝泉寺から並木町を望む

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四高記念館

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大橋から見る浅野川

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東山 くわな湯裏の通り  雪に埋もれている

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東山、茶屋街から北に向かう路地

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東山 茶屋街

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卵焼き紛争

妻は朝食にはたいてい卵焼きを作る。卵3個を卵焼きにして息子の弁当用に2切れを使い、朝食には卵焼きを4切れ出してくれる。私と息子と娘が食卓について食べ始めると、まずは一人一切れ卵焼きをとる。妻はたいてい洗い物か、弁当のおかずを作っていることが多いので、3人がご飯を食べ終わる頃には、お皿の上に卵焼きが1つだけ残ることになる。ちゃっかりした娘は、タイミングを見計らって、「ママ、卵焼き食べる?」と聞いて、妻が「いらない、食べていいよ。」と言うか言わないかのうちに、「ありがとう。」と言ってパクッと食べてしまう。私と息子はもう一切れ食べたかったとなと納得いかない気持ちを抱えることになる。

 

毎日娘だけが卵焼きを2切れ食べるので、妻に「もし、あなたが卵焼きを食べないのなら、最初から3等分にして出してくれないでしょうか?」とお願いしてみた。しかし、妻は「なに、そんなみみっちいこと言ってるの。」とにべもない。今朝も、同じように4切れが食卓に出てきて、娘が2切れ目を食べようとした。今日はたまたま妻が一緒に食卓についていたので、「大したことではないのだけれど、日々薄紙を重ねるようにして、食べ物の恨みが積み重なるのはまずい、いつ大規模な紛争に繋がるかわからないので、世界平和のために今日はあなたがこの一切れを食べるように。」と言って妻に食べさせた。

 

今月末に息子は2回目の大学受験を迎える。結果はどうであれ4月からは家を出て行くことになる。そうすると卵焼きの数を巡ってこんな会話をすることもなくなるだろう。何気ない日々のやりとりが急にいとおしく感じた。

休戦

プリーモ・レーヴィはイタリア在住のユダヤ人。ナチスに逮捕されアウシュヴィッツに送られる。アウシュヴィッツでの約1年間の暮らしを扱ったのが「これが人間か」。

 

「休戦」はソ連軍によってアウシュビッツが解放されてからレーヴィがイタリアに帰郷するまでの紆余曲折を綴る。すぐにイタリアに戻れたわけでなくポーランドウクライナベラルーシの収容所を転々とさせられ約9ヶ月後にようやくイタリアに到着するのだ。

 

その間に、強制収用所で破壊された人間性を少しづつ取り戻して行く。 著者は、ドイツ人の時計のように精密な管理体制に比べて、ソ連軍の大陸的なというか、おおらかな、いい加減なやり方に好感を持つ。ベラルーシの平原のど真ん中の収容所で、ソ連軍の帰還兵たちがドイツから膨大な数の馬を引き連れて帰ってくるところに出会う。ソ連軍は誰も正確な馬の数など把握していないので、収容所の住人たちは、こっそりと馬を森に引き込んで殺して肉を分け合って食べてしまう。看守たちも半ば見て見ぬ振り。レーヴィは馬肉のおかげで精神も肉体も強制収用所のダメージから回復できたという。

 

「これが人間か」と同様に、形容詞や感情を表す言葉を省き、事実を淡々と紡いて行く表現は、一見明るい。しかし底知れぬ凄みを感じる。

 

休戦 (岩波文庫)

休戦 (岩波文庫)

 

 

いなさ ぎんなんとむかごの素揚げで一杯

家に帰る前に金沢駅近く、別院通りにある「いなさ」に寄った。

 

寒いので燗酒をお願いしたら、今回は羽咋市の御祖酒造の「遊穂 湯~ほっ」というお酒だった。5年以上寝かせた古酒で燗に合うとのこと。濃いめの黄金色、一口含むととろりと甘いくちあたり。寒い日にちびちびとやるにはぴったりだ。

 

つまみには、ぎんなんとむかごの素揚げを注文する。ぎんなんの鮮やかな黄色とえぐみが、素朴なむかごの色合いと味を引き立てる。塩加減もちょうどいい。

 

ここは、何を食べても「おっ!」と思わせてくれるのがうれしい。

ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜

上野の東京都美術館で「ブリューゲル展」を見た。

 

4本マストの戦闘戦艦を描いた版画の下絵は線描で表現した波の質感がいい。花の静物画は豪華絢爛。葡萄はそこにあるように見える。農村の結婚式の絵はみんなぽっちゃり、子供にオシッコさせたりお尻叩いていたりと細かなところまで見ると面白い。

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