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いつも「時間がない」あなたに  欠乏の行動経済学

明日に仕事の締め切りが迫っているのに全然できていない。時間が足りない。借金の返済期限が迫っているのに急な出費でお金が足りない。好きなだけ食べたいけれど、ダイエット中で十分食べられない。あたたかい人間関係が足りない、恋人や友達がほしくてたま…

岩波講座 日本歴史 第4巻

奈良時代から平安前期ごろまでの歴史。唐の威光にかげりがでてきて、政治制度や文化、宗教において唐を丸写しする時代から、少しづつ日本の独自性が出てくるころだ。 人や田の状況を把握するために戸籍や田籍を整備し、それに基づいて人々に口分田を与え、租…

さらば政治よ 旅の仲間へ

渡辺京二さんといえは、幕末から明治に日本を訪れた西洋人が書き残した旅行記などから、当時の日本の姿を再現した「逝きし世の面影」が印象に残る。そこには、封建制の抑圧に苦しみ貧しい悲惨な庶民の生活があるかと思いきや、掃除が行き届いた清潔な家、こ…

心という難問 空間・身体・意味

私には赤色に見えている海に沈む夕日は、隣に座っている人にも同じように見えているのかしら。太陽の光が目には入って網膜に捉えられ、その信号が脳に送られて赤いと感じられるのであれば、各自の脳の処理の仕方によって、それぞれが全く違う景色を見ている…

岩波講座 日本歴史 第3巻 古代3

天智朝、天武朝から奈良時代の終わりまでを扱う。 律令制のところで「公廨」という言葉が出てくる。「くがい」と読む。もともとは、官衙の建物を指していたが、そこから官衙の収蔵物、収入を指すようになり、官人の給与に当てる収入を指すようになる。公廨稲…

幻影の明治 名もなき人びとの肖像

江戸の人々の生活の肌触りを丁寧に掘り起こした「逝きし世の面影」の著者、渡辺京二が明治の人々について書く。 「第一章 山田風太郎の明治」では、山田風太郎の明治期に題材をとった推理小説から、庶民の行動、考えていたことを説き起こす。 「第三章 旅順…

セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人々

ベラルーシ出身のノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチがソビエト時代のことやソビエト崩壊後の暮らしのことを、市井の人々から聞き取ってまとめた本。インタビューの時期は1991年から2012年。 600ページが文字でびっしり埋め尽くされてい…

石引パブリック

土曜の午後、散歩がてら歩いて県立図書館へ本を返しに行ったついでに、図書館の裏の階段を上って、出羽町に上がりそのまま、石引パブリックに行ってきた。 デザイナーの方が経営しているので、アートやデザイン系の本ばかりかと思ったら、食べ物系、音楽、映…

断片的なものの社会学 人の語りを聞くということは、ある人生のなかに入っていくということ。

著者は社会学者の岸政彦さん。沖縄から本土に出稼ぎに来た人たちにインタビューした「同化と他者化 戦後沖縄の本土就職者たち」や、ホームレスや同性愛者などの身の上話を綴った「街の人生」などの著書がある。 この本は、市井の人たちにインタビューする中…

書いて生きていく プロ文章論

このブログを書き始めたのは、今の仕事に転職して文章を書く機会が増えたから。それまでは経理で働いていたので作る資料は基本スプレッドシートのみ。説明の文を書くとしても箇条書き程度だった。ぐだぐだと長く書くのは嫌われた。 それが転職してからは、挨…

岩波講座日本歴史 第2巻 古代2

この巻では6世紀から7世紀を扱う。推古朝から持統朝にかけて、蘇我氏が台頭して大化の改新が進んでいく頃このこと。 仏教の受容や、蘇我入鹿が暗殺され蝦夷が自害に追いこまれた「乙巳の変(いっしのへん)」、それに続く大化の改新は、隋・唐や百済、新羅、…

能はこんなに面白い!

時々、休日の午後に能楽堂に出かけて、椅子に座って半分居眠りしながら能を見る。謡の内容もよくわからないけれど、その場の雰囲気に浸っているのが心地よい。先日も金沢能楽会の定例能で「翁」を見てきた。いつもより豪華な衣装を着たたくさんの人が舞台に…

二宮翁夜話

二宮尊徳が活躍したのは、19世紀前半頃。長年にわたる幕藩体制の矛盾がいろんなところで露見し、深刻な飢饉が2回もあるなど、農民の生活は疲弊していた時代だ。時代の状況が最近の日本になんとなく似ているような気がしたので読んでみた。 農村復興の手法…

薔薇の名前 上

14世紀前半、イタリアの修道院で発生した連続殺人事件を、修道士のウイリアムとその弟子アドソが解明していく物語。著者ウンベルトエーコの豊富な知識がちりばめられているので、中世ヨーロッパの歴史を知る入り口としてもおすすめ。異端審問、キリスト教…

生命、エネルギー、進化

生命はどうやって始まったのか? 植物や動物などの多細胞生物、細菌はなぜ今あるような形であり、今あるようなやり方で生きているのか? 生命に関する直球ど真ん中の疑問に真正面から答えてくれる本です。 主要なテーマは二つ。一つ目は生命の起源。著者は細…

百年の孤独

年末の休みに入ってから読み続けて今朝ようやく読了。 コロンビアの作家でノーベル賞を受賞したガルシア=マルケスが1967年に発表した作品。マコンドという架空の都市がジャングルの真ん中に建設されて繁栄し、その後ジャングルにのみこまれて荒廃するま…

錆と人間 ビール缶から戦艦まで

自由の女神、飲料の缶、戦艦や戦闘機、橋、アラスカの原油パイプライン。これらは皆、技術の粋を集め莫大な費用をかけて錆から守られている。アメリカにおける錆による被害額は年間40兆円以上とも言われる。人間と錆との戦いやステンレス鋼の開発の歴史、…

一汁一菜でよいという提案

料理研究家としては随分思い切った提案。日常の食事は、いつもと同じものでいい。毎回何か真新しいものを作ろう、品数を増やそうと悩まなくていい。ご飯と、味噌汁と、漬物。これだけでいい。一汁一菜が和食の基本。もし余裕があればおかずを一品ってみよう…

チェスの話 ツヴァイク短篇選

ドイツの作家、ツヴァイクの短篇集。「目に見えないコレクション」、「書痴メンデル」、「不安」、「チェスの話」の4話。 「チェスの話」は、ニュヨークからアルゼンチンに向かう客船の中で、チェスの世界チャンピオンとある男がチェスをする話。その男はナ…

現代坐禅講義 只管打坐への道

坐禅の真似事を始めて1年。毎朝2、30分坐るようにしている。自分が実際に坐っている時に感じていることと照らし合わせると、この本に書いてあることが少しわかってくる。今回読むのは2回目。最初に読んだ時には頭で理解できても実感できなかった、坐骨の…

地方創生大全

役所の補助金を使って地域振興事業をやることのダメさ加減を徹底的に見せつけます。 まずは「ゆるキャラ」から。大のおとなが税金を使ってまでやる程のものか、ゆるキャラグランプリを取ったところで経済効果があるのか。と切り捨てます。実は大した成果をあ…

絵でわかる人工知能

シンギュラリティにニューラルネットワーク、機械学習、ディープラーニング、ベイズ統計、モンテカルロ木探索、などなど。人工知能に関する用語の数々をイラストとともに解説します。 著者は、「人工知能が囲碁で人間に勝った。さあ大変。人工知能が人間を超…

海商三代 北前船主 西村屋の人々

羽咋市一宮に本拠を置いた北前船主の西村屋の勃興から没落まで三代の歴史。初代の忠兵衛が生まれたのは、1819年(文政2年)、三代目の忠吉が亡くなったのは1934年(昭和9年)この間の約110年の激動の歴史です。 初代は北海道の鰊〆粕の取引で大儲けし、2代…

都市を生きぬくための狡智 タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

タンザニアで古着の売買に関わる人たちを民俗学的に調査するために、実際に古着の行商人や仲買人になった体験や聞き取り調査の内容を論文の形にまとめた本です。著者は当時大学院生だった女性。決して治安がいいとは言えない、タンザニアのとある都市の繁華…

(インターネット)の次に来るものー未来を決める12の法則

インターネットの次はどうなるのか? 12の方向を解説する。 コグニティブ=認知する。いろんな機械が環境、状態を認知するようになるそうだ。 〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則 作者: ケヴィン・ケリー,服部桂 出版社/メーカー: NHK…

パクリ経済ーコピーはイノベーションを刺激する

著作権によっても、特許によっても保護されないもの、料理のレシピや洋服のデザイン、お笑いのジョーク、手品のタネ、アメフトのフォーメーション。これらは法律で保護されなくても革新的なイノベーションが次々と産み出されている。なぜ、法律で保護されな…

阿含経典 2

阿含経典の2巻目、この巻では「六処」と呼ばれる、人間の6つの感覚器官、目、耳、鼻、舌、皮膚、心と、それぞれの感覚器官から入ってくる、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、意識をいかに制御するかについてが述べられる。後半は「偈」という詩の形式で語ら…

ぼくの複葉機

「星の王子様」、「チョコレート工場の秘密」、「カモメのジョナサン」。この3冊の本に共通することは何でしょう? 答えは、 著者が3人とも飛行機乗りだということです。星の王子様を書いた、サン・テグジュペリ(1900〜1944)は、フランスの郵便物を運ぶ飛行…

楽園のカンバス

ルソーの絵は子供の頃から好きで、小学校の図工の教科書に載っていた「眠れるジプシー女」を授業中に飽きもせず眺めていた。中学生の時には「夢」のようなジャングルの緑をまねて描いてみた。アメリカに住んでいた時には、「異国風景」を見るために、パサデ…

サマルカンドへ ロング・マルシュ 長く歩く2

60歳を過ぎてから歩くことに魅了されたフランス人の元新聞記者が、トルコのイスタンブールから中国の西安までの12,000㎞1を4年間かけて徒歩で旅行する。その2年目の旅。トルコとイランの国境からイラン、トルクメニスタンを通ってウズベキスタンのサ…

失われてゆく、我々の内なる細菌

著者はまず、人間は自分の体の表面や消化管の内部などに100兆個もの細菌を保持していることを示す。ちなみに人間自身を構成する細胞の数はたったの30兆個だ。体内の全ての細菌の重さを合計すると数キログラムにもなるそうだ。それら細菌は数百万年をかけて人…

昨日の世界(1)

シュテファン・ツヴァイクは、1881年にオーストリアに生まれたユダヤ系の作家。詩や戯曲、伝記などの作品を残しているが、1941年に亡命先のブラジルで自殺している。この本は自殺の直前に書かれており、ツヴァイクは19世紀までのヨーロッパ文明を懐かしみ、…

エカチェリーナ大帝(上)(下)ある女の肖像

エカチェリーナ2世はロシアの女帝で、在位期間は1762年から1796年。北ドイツの諸侯の娘であったが、ロシアの王室に嫁いで皇位を継承する。在位中には、黒海艦隊を設立し、トルコとの戦争に勝利。ウクライナやクリミア半島を併合する。また、プロイセン、オ…

脳外科医マーシュの告白

仕事の中で、いろいろな心配事はあるけれどとにかくやるしかないという時、「まあ、誰かが死ぬわけでもないし、思い切ってやろうや。」と半分冗談で言うことがある。しかし、脳外科医の仕事は、ちょっとしたミスで患者が死ぬ、もしくは重大な後遺症を及ぼす…

野生の知能 裸の脳から、身体・環境とのつながりへ

コオロギの雌は、雄の声を聞き分け好みの声で鳴くパートナーを求めて動き回る。 ケアシハエトリグモは、他のクモの巣に取り付き、自分の存在を気づかれないように獲物が巣にかかったと思わせる振動を送りながら、家主のクモに忍び寄る。それま一直線に近くの…

心臓の科学史 古代の「発見」から現代の最新医療まで

心臓の病気とその治療法に関するあらゆることについての本です。心臓カテーテル法、冠動脈造影法、人工心肺、ペースメーカー、心臓移植、人工心臓、バイパス手術、アンギオプラスティー、ステント留置術、スタチンの開発などなど。 初めて心臓の外科手術が行…

ロング・マルシュ 長く歩く アナトリア横断

60歳で退職した新聞記者がトルコのイスタンブールから中国の西安までシルクロードを4年がかりで歩いて旅する。この本はその中のトルコ国内編。イスタンブールからイランとの国境近く、アララト山の麓の町ドウバヤズトまでを歩いた記録です。 著者が年齢を…

阿含経典1

阿含経典は、原始仏典の中の相応部経典の中国語訳。釈迦が弟子たちに直接話した言葉をもっともよく伝えていると言われている。相応部経典とは、縁起、因縁などのテーマに関連した説教をまとめて編集した経典です。 1巻では、仏教における存在の法則である「…

あるミニマリストの物語ー僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで

妻も子供もいる身で、家中のものをじゃんじゃん捨ててしまう訳にもいかないのですが、近頃、余分なものはできるだけ持たないようにしたいと感じています。 ものが増えると、置いておく場所や、それを維持するお金、手間が必要となり面倒です。特に以前はあれ…

私は魔境に生きたー終戦も知らずニューギニアの山奥で原始生活十年

太平洋戦争中、東部ニューギニアでの戦闘で山奥に取り残された著者が、その後10年間にわたり仲間と山中で生活した記録。 戦闘に敗れて、山奥を彷徨する兵士たちが飢えやマラリアでバタバタと倒れていくところは悲惨としか言いようがない。行軍の経路に脱落…

「食の職」新宿ベルク

JR新宿駅の東口のすぐ近くにある、ベルクというお店の副店長さんが、お店について語った本。15坪の小さいお店だけれど、本格的なコーヒーやパンを安く提供しているらしい。ビールも飲めるそうだ。 この本は、ベルクと取引しているコーヒー屋さん、パン屋さ…

沖縄決戦 高級参謀の手記

沖縄戦の作戦を立案し、軍司令部の中で唯一の生き残りとなった高級参謀の八原博道の手記。 昭和19年3月に南西諸島の防衛を任務とする第32軍が設立され、八原は参謀に任命される。八原は、島内各所に地下陣地を構築して、アメリカの艦砲射撃を耐え、アメリカ…

病の皇帝「がん」に挑む 人類4000年の苦闘

上巻にあるインタビューで、医師でもある著者は、がんの患者さんに向けて、がんというのはどんな病気かを詳しくに説明して、ありのままを知ってもらうためにこの本を書いたと答えている。 腫瘍を取り除く外科手術、がん細胞だけを殺す薬を探し求める化学療法…

野崎洋光が考える美味しい法則

野崎さんは、料理屋には料理屋のやり方があるし、家庭には家庭の料理がある。家庭が料理屋の料理を真似するのはおかしいときっぱり言ってくれます。 例えば、青菜のおひたし。料理屋はたくさんの料理を一度に出さなければならないので、味を一定にするために…

Who Get's What

お金では解決しづらい問題、お金を絡めると嫌悪感を感じる人が出てくる取引がある。例えば、ドナーの腎臓を移植を待つ人にどうやって配分するか、子供たちがどの公立中学に通学すべきか、研修医をどの病院に割り当てるべきか。 そもそも、腎臓の売買は強い嫌…

ヨーロッパ退屈日記

最初に出版されたポケット文春版のあとがきの日付が1965年3月1日となっている。 驚いた。私の両親が結婚して、お金がないので新婚旅行に出かけるか家に風呂をつけるか悩んでいた頃に、伊丹十三は、ジャギュア(ジャガーじゃなくてこう書かないといけないそう…

美味しい本屋さん OH LIFE

武蔵ヶ辻の「かなざわはこまち」の裏、三角形の小さな公園の横にあります。食べ物にまつわる本が並べてあって、それを読みながらお茶できます。 パンはお店で焼いていて、スープも美味しいです。スープは「甘エビのビスク」、「きのこのポタージュ」、「ブラ…

眼の哲学 利休伝ノート

青山二郎は1901年生まれ、1979年に77歳で亡くなっている。装幀家であり陶器の鑑賞家。1930年(昭和5年)頃に、小林秀雄や中原中也、河上徹太郎、大岡昇平らと親交を深め、交流し、飲み歩き、彼を中心とした文学仲間を称して「青山学院」と呼ばれたそうだ。…

ザ・グレート・ゲーム

「歴史が後ずさりするとき」の中で、ウンベルト・エーコが、ソ連崩壊によって東欧から中央アジアの範囲では最近の地図は全く役に立たなくなった。国の有り様が100年前に逆戻りしてしまったと言ってるところでこの本に触れていた。 時は19世紀、なんとか領土…

パウドリーノ

ウンベルト・エーコのヨーロッパの中世を舞台にした小説。1150年から1200年頃の神聖ローマ皇帝、フリードリッヒ・バルバロッサのイタリア遠征、第4回十字軍によるコンスタンティノープルの略奪あたりを扱っている。 イタリア北部のアレッサンドリアで生まれ…