暴力と不平等の人類史 戦争・革命・崩壊・疫病

農業や牧畜が始まり、生きて行く上で必要最低限必要な物資を上回る生産が可能となって以来、定常状態では人々の間の経済的な不平等は拡大し続けている。例外的に不平等の格差が縮まったのは、次の4つのケースだと著者は言う。 国家あげての総動員体制での戦…

じゅうぶん豊かで、貧しい社会 理念なき資本主義の末路

経済成長って本当に必要なの? 我々はどこまで豊かになれば満足するの?という疑問の答えになるかもと思い読んでみた。 ケインズは1930年に発表した論文「孫の世代の経済的可能性」で、技術が進歩するにつれて、単位労働時間あたりの生産量は増えるので、必…

鈴木幸一さん

私の大好きな経営者。今月の日経新聞、「私の履歴書」で連載中。 高校にはほとんど行かずに、昼間は上野公園の博物館や映画館で時間を潰して何事もなかったように家に帰ったとか、大学を卒業しても就職するわけでもなく、コンピュータ関係の翻訳のアルバイト…

経済と人類の1万年史から21世紀を考える。

やぶからぼうですが、「経済って成長し続けなきゃいけないものなの?」という疑問が、心の奥底にわだかまっている。私自身は1966年生まれで、日本の高度成長真っ只中。1973年のオイルショックで高度成長に区切りがついたものの、バブル崩壊まで成長は続く。…

スハイリ号の孤独な冒険

1968年に世界で初めてのヨットの単独無寄港世界一周レースである「ゴールデングローブレース」が開催された。イギリスを出発して喜望峰、オーストラリア、ニュージーランド南側を通って、マゼラン海峡通過後は大西洋を北上してイギリスに戻るコース。GPSは存…

地元がヤバい!と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

東京の企業で働いていた主人公が、母の頼みで地元の商店街での実家の商売を廃業しようとするところから物語は始まる。廃業の手続きのため週末ごとに実家に帰っているうちに、地元に残って飲食業で成功した同級生に誘われて、実家をリノベーションすることを…

数学のお勉強

数学で苦労していた娘を、少しでも手伝おうと中学校の数学を復習して見たら意外に面白い。こんなに面白いのなら現役の時には全く歯が立たなかった高校の数学をやり直してみようかと思い手に取ったのが、岩波書店の「数学読本」。 意気込んで買ったものの、こ…

「解説」する文学

関川夏央さんが文庫のために書いた「あとがき」を24編集めた本。本編は読んだことなくても、どの「あとがき」も「あとがき」だけでじっくり読ませるのはさすが。作品が書かれた時代背景とその時に作者は何をしていたかについて深く掘り下げる。藤沢周平や…

死に山:世界一不気味な遭難事故<ディアトロフ峠事件>の真相

真冬のウラル山脈北部に登山に出かけた、大学生9人のパーティーが消息を絶つ。捜索隊が見つけたのは、内側から破られたテント。テントの中には綺麗に整頓されたままの装備や靴。9人はテントから遠く離れた場所で発見された。全員が靴も履かず、防寒用の上…

日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学

自分が育った時代、つまり小学校から大学生くらいまでの社会の状況が、自分にとっての当たり前として知らず知らずのうちに刷り込まれている。 私は1966年生まれ、小学校入学が1973年で大学卒業が1991年。高度成長の末期に小学生になり、オイルショックを経て…

青虫は一度溶けて蝶になる:私・世界・人生のパラダイムシフト

全てが順調に進んでいて、「俺ってすごいな」と全能感いっぱいの時期と、何もうまくいかなくて、自分はダメな人間だ、存在する意義すらないと感じてしまう時期。その両極端を状況jによって行ったり来たりしていたように思う。落ち込む時はとことん自分が嫌に…

インフォメーション 情報技術の人類史

情報を伝える。ということに関する諸々をまとめた本です。 まずは、アフリカのトーキングドラムについて。次に、語って伝えること、文字で伝えること、辞書の編纂、電信(モールス信号)で伝える、電話、コンピュータなどなど。 これらの個別の通信方法を紹…

平成史【完全版】

元号が変わったからって何が変わるんだ。と思いつつも平成の30年間はどんな時代だったのかと振り返りたくなり、この本を手に取った。 この本では昭和の後期(昭和33年から64年まで)は、製造業中心の産業構造が確立した時代であり、平成はその製造業中心の仕…

社会を変えるには

古代からの数々の社会制度の概要を眺めて、現代の民主制を相対化する。民主制のなかには、関係者全員が参加する直接民主制もあれば、選挙で選ばれた代表者が議論して意思決定する間接民主制もある。古来から、デモは民衆の意思表示の方法の1つであり、間接…

ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観

アメリカ人宣教師が、アマゾンの奥地の「ピダハン」という少数民族の村で暮らし、彼らの言葉を調査するお話。彼の目的は聖書をピダハン語に翻訳してキリスト教を布教することなのだが、宗教はピダハンたちに必要とされず布教は失敗。しかも宣教師自身がピダ…

実践 日々のアナキズム 世界に抗う土着の秩序の作り方

見通しの良い交差点で何百メートル先まで1台も自動車が走っていないことが明らかな場合に、歩行者用信号が赤だったら信号を守って青になるまで待つのか、信号は無視して歩くのか。著者はこれを「アナキスト柔軟体操」と呼んで、当事者が国が定めた法律はさ…

チキンヌードルスープ

「アメリカは食べる」の中で、東理夫がアメリカの三大スープとして、クラムチャウダー、ミネストローネ、チキンヌードルスープを紹介していた。クラムチャウダーはキャンベルのスープ缶でよく食べていたので昔から馴染みがあった。同量の牛乳で溶いて食べる…

アメリカは食べる アメリカ食文化の謎をめぐる旅

「食べたくなる本」で紹介されていた本。アメリカの食べ物に関する情報が盛り沢山なのは当然として、食べ物を通じてアメリカという国の成り立ち、歴史を知ることができる良い本。 クラムチャウダー、ミネストローネ、チキンヌードルスープ、フライドチキン、…

食べたくなる本

料理本について語る本。友人が面白いと紹介してくれたので早速読んでみた。 著者は1976年生まれ。2000年以降の本が主に語られている。私が図書館で料理本をかたっぱしから借りて読んでいたのが学生時代の11986年から1990年くらいまでなので冷水希三子さんや…

玄米スープ

4月に入ってから妻が。辰巳芳子さんのスープをまとめた料理本「あなたのために」の一番最初に登場する、「玄米スープ」を作るようになった。小麦色になるまで弱火で丁寧に炒った玄米を昆布と梅干しと一緒に煎じスープだ。じっくり弱火で30分煎じている間に…

天然知能

人工知能とは、自分にとって役に立つのかどうか、自分の価値判断に基づいて知覚する知能。昆虫は農作物に害があるのか、ペットショップで高く売れるのかなど、自分との関係性で認識して判断する。利害関係のないものは知覚すらしない。著者は1人称的知性と…

なぜ世界は存在しないのか

全ての事物や空間、人間が考えたことなどありとあらゆるもの全てを含んだ「世界」は存在しない。なぜなら、世界の外に世界に相対して、世界を意味付ける何かがないことには世界という言葉の意味が定まらないからだ。あるものの意味はそれ単独では定まらない…

浮世に言い忘れたこと

三遊亭圓生の随筆集。昭和を代表する名人と称される落語家。 居間のテレビでYouYubeが見られるようになってから、暇を見つけては圓生の落語を見ている。「百川」、「盃の殿様」、「死神」あたりがお気に入り。ゲラゲラと笑う訳ではなく、しみじみと面白い。Y…

失われた時を求めて(4) 花咲く乙女たちの影に

ノルマンディー地方の避暑地バルベックで過ごし一夏を600ページ以上にわたって詳細に語る。祖母と汽車でバルベックに向かって出発し、一晩かけて避暑地に到着し、ホテルに入る。ホテルの部屋に入った時の、部屋になじまない感じ、違和感、よそよそしさが…

反脆弱性 不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

タレブの「反脆弱性」を読んだ。面白かった。「ブラックスワン」を横目で見ながらいつか読みたいと思っていたのだが、こんなことならもっと早くに読んでおくべきだった。 実世界では想定外大事件が起こる。どんな頻度で、どんな規模で発生するかは予想できな…

哲学JAM

先月から始まった石引パブリックの「哲学JAM」の2回目に参加してきた。哲学者の仲正昌樹さんが10回シリーズで現代社会について語る会だ。今回のテーマは、「独裁」は悪か 〜なぜ今、世界に独裁者が誕生しているのか 厳密に考えてみると、何が独裁なのか、定…

江戸散歩 上下

三遊亭圓生が、東京に江戸の面影がまだ残っていた頃の様子や、その頃にたくさんあった寄席や芸人さんの思い出話を語る。圓生が編集者に語った内容を文字に起こしたものなので、読んでいるうちに圓生の落語の語り口が頭の中に自然に再生され心地よい。 三遊亭…

弱虫ペダル

息子が家に残していった「弱虫ペダル」を風呂に持ち込んで読んでいる。何故かよくわからないが35巻から45巻まである。風呂に入る度に1冊か2冊読んでいる。1冊で約30分。2冊読むとほぼ1時間湯船に浸かることになる。1時間湯船に浸かると頭皮からも全身か…

失われた時を求めて3 花咲く乙女たちのかげにⅠ

失われた時を求めて3 花咲く乙女たちのかげにⅠ2巻はスワンとオデットの恋の顛末のお話、最初はスワンが優位な立場で始まった恋が、付き合いが続いていくうちに立場が逆転し、スワンがオデットに翻弄されるようになる。スワンはこのままでは破滅してしまうと…

失われた時を求めて(1)(2)

最初はスワンはオデットのことをそれほど好きという訳ではなかった。スワンはわざと冷たく接して焦らしたり、手紙に返事を出さなかったりと強気の態度で接して、オデットを弄ぶ。ところが長く付き合ううちに立場が逆転する。あなたのためにいつでも時間は開…