一勝九敗

ユニクロの社長の柳井さんが、親の会社を引き継いでから2003年までの歩みを振り返る。1999年から2000年にフリースが馬鹿売れした後、フリースに続くヒットがなくてちょっと低迷していた頃の本ですが、やるべきことをやっていくだけだという自信に満ちています。ユニクロの1号店を広島にオープンしたのが1984年。20年で売上3000億円を超えています。ちなみに直近では約6850億円。柳井さんが前から目標にしている1兆円も見えてきました。2000年頃にその数字を聞いたときは、「無理、無理。」と鼻で笑っていましたが・・・。もう一つちなみに、しまむらの直近の売上高は4108億円です。


自分の体験を踏まえているだけに、当たり前ですが地に足がついていて実践的。経営者だけでなく企業で働いている人にも参考になります。柳井さんがまとめてくれたエッセンスを以下に抜き書きします。

起業家十戒
1.ハードワーク、一日二十四時間仕事に集中する。
2.唯一絶対の評価者は、市場と顧客である。
3.長期ビジョン、計画、夢、理想を失わない。
4.現実を知る。その上で理想と目標を失わない。
5.自分の未来は、自分で切り開く。他人ではなく、自分で自分の運命をコントロールする。
6.時代や社会の変化に積極的に対応する。
7.日常業務を最重視する。
8.自分の商売に、誰よりも高い目標と基準を持つ。
9.社員とのパートナーシップとチームワーク精神を持つ。
10.つぶれない会社にする。一勝九敗でよいが、再起不能の失敗をしない。
キャッシュが尽きればすべてが終わり。


経営者十戒
1.経営者は何が何でも結果を出せ。
2.経営者は明確な方針を示し、首尾一貫せよ。
3.経営者は高い理想を持ち、現実を直視せよ。
4.経営者は常識に囚われず、柔軟に対処せよ。
5.経営者は誰よりも熱心に自分の仕事をせよ。
6.経営者は鬼にも仏にもなり、部下を徹底的に鍛え勇気付けよ。
7.経営者はハエタタキにならず、本質的な問題解決をせよ。
8.経営者をリスクを読みきり果敢に挑戦をせよ。
9.経営者をビジョンを示し、将来をつかみ取れ。
10.経営者は素直な気持ちで、即実行せよ。


ユニクロの経営理念
第一条 顧客の要望に応え、顧客を創造する経営
第二条 良いアイデアを実行し、世の中を動かし、社会を変革し、社会に貢献する経営
第三条 いかなる起業の傘の中にも入らない自主独立の経営
第四条 現実を直視し、時代に適応し、自ら能動的に変化する経営
第五条 社員ひとりひとりが自活し、自省し、柔軟な組織の中で個人ひとりひとりの尊重とチームワークを
    最重視する経営
第六条 世界中の才能を活用し、自社独自のIDを確立し、若者支持率No.1の商品、業態を開発する、真 
    に国際化できる経営
第七条 唯一、顧客との直接接点が商品と売場であることを徹底認識した、商品・売場中心の経営
第八条 全社最適、全社員一致協力、全部門連動体制の経営
第九条 スピード、やる気、革新、実行力の経営
第十条 公明正大、信賞必罰、完全実力主義の経営
第十一条 管理能力の質的アップをし、無駄を徹底排除し、採算を常に考えた、高効率・高配分の経営
第十二条 成功・失敗の情報を具体的に徹底分析し、記憶し、次の実行の参考にする経営
十三条 積極的にチャレンジし、困難を、競争を回避しない経営
第十四条 プロ意識に徹して、実績で勝負して勝つ経営
第十五条 一貫性のある長期尾錠を全員で共有し、正しいこと、小さいこと、基本を確実に行い、正しい方
     向で忍耐強く最後まで努力する経営
第十六条 商品そのものよりも企業姿勢を買ってもらう、感受性の鋭い、物事の表面よりも本質を追求する
     経営
第十七条 いつもプラス発想し、先行投資し、未来に希望を持ち、活性化する経営
第十八条 明確な目標、目的、コンセプトを全社、テー無、個人が持つ経営
第十九条 自社の事業、自分の仕事について最高レベルの倫理を要求する経営
第二十条 自分が自分に対して最大の批判者になり、自分の行動と姿勢を改革する自己革新力のある経営
第二十一条 人種、国籍、年齢、男女等あらゆる差別をなくす経営
第二十二条 相乗効果のある新規事業を開発し、その分野でNO.1になる経営
第二十三条 仕事をするために組織があり、顧客の要望に応えるために社員、取引先が有ることを徹底認識
      した壁のないプロジェクト主義の経営

これは、どこかでヒントになりそうな一節。

アメリカ村店の失敗からつかんだもう一つの教訓は、多くの種類の商品を年齢層や男女別にターゲットを絞った消費者層に売ることよりも、フリースのような一つの商品を年齢も性別も選ばない不特定多数の人に売るほうが絶対に効率がよい、ということだ。

一勝九敗 (新潮文庫)

一勝九敗 (新潮文庫)

毎月新聞

NHK教育テレビの「ピタゴラスイッチ」を手がけている佐藤雅彦さんが毎日新聞に毎月連載していたコラムです。「だんご3兄弟」や湖池屋ポリンキーのCMを作った人です。日常の生活に潜むちょっとした割れ目を取り上げて考察する視点がおもしろい。

「じゃないですか禁止令」

「これ余ってたらもらっていいですか。ほら、私たち学生って、こういうレアものに弱いじゃないですか。」
(中略)
欲しければす、素直に欲しいと言えばいいのに、それを「私たち学生って」と言うことで、一般論にしている。なぜ、個人的な欲望を、わざわざ、学生一般のこととして置き換えなくてはならなかったのか。それは、この女子学生が、その珍しいお菓子を欲しいと言うこと自体が、ずうずうしいという事を内心、わかってしまっていて無意識のうちにそれをごまかしたいからなのだ。

油断すると私も使っています。確かに卑怯なものの言い方。他には「〜と(世間では)言われている。」とか、「〜と思われる。」。自分が言ってる、思ってるのに、主語をぼやかして逃げてる言い方です。とくに、「思われる。」は気になって仕方ない。「と思ってるのはあんたやろ。」と言いたくなる。


「文字が出す騒音」は、ボストンのカフェと新幹線のグリーン車で感じる静けさの原因を考えてみると、両方とも看板や中刷り広告などの文字が無いことだったというお話。


確かに。昔アメリカに住んでいたころ、半年に一回くらい出張で日本に来て、電車に乗ると車内には広告、外を見れば看板が次々と目に入ってきて、しかも,ひさしぶりに見る日本語がうれしくて無意識に全部読もうとしていました。一日外にでると文字を追うのに疲れ果てました。


アメリカにいるとそもそも看板が少ないですし、看板があっても根性入れて睨み付けないと意味がわからないので、必要な時以外はスルーしてるので静かなもんです。


大学で数学を学んだ著者ならではの話の展開は、証明問題を気の利いたやり方で解くような「目からウロコ」感があります。

毎月新聞 (中公文庫)

毎月新聞 (中公文庫)

キムチ、大根菜の佃煮

もらいものの巨大白菜。鍋に使ったくらいでは食べきれないのでまるごとキムチにした。昨日の晩に白菜を一口大に切ってから4%の塩で漬けておいた。これを絞って水気を切っておく。大根、人参、長ねぎり、玉ねぎ、スルメ、にんにく。これらを全部まぜてさらに麹漬の素、蜂蜜、焼酎、粉唐辛子、すりゴマを加えてまぜる。できたものを漬物桶に入れて発酵させます。2週間後が楽しみです。


この本を見ながら作りました。

わらのごはん

わらのごはん


大根の葉っぱは牛肉と佃煮にしてみました。