魯山人味道
北大路魯山人の、食のエッセイ集。
「美味んぼ」でも登場した、トゥールダルジャンで、鴨をわさび醤油で食べる話がでてきます。自信たっぷりで、読んでいてもムッとするようなことも書いてあります。すばらしい方なのかもしれませんが、身近にこんな人がいたら、ちょっと、やな感じです。
例えば
ある日山荘を訪れた黒田初子さん(料理研究家)が土産に持ってきたチーズを私が喜んだので、別れるとき、「家にまだたくさんございますので、帰ったらお送りしましょう。」と言ったので、「あなたは幼稚だ。自分が星岡茶寮をやっていた時、お客さんに出したものがとても気に入られ、もう少しないかと言われると、台所には腐るほど山と積んであっても、残念ながら、もうございません、と答えていた。そうするとこの客はいつまでもこの食物を忘れずにいて、ああ美味しかった、もっと欲しかったと思うが、サアサアとうんざりするほど持ってくると、あとは忘れてしまうものですよ」と、言ってやった。
私が試したのは納豆茶漬け。納豆の糸が空気を含んでふわふわになるまで、かき混ぜた後に少量づつ醤油をたらして練り、熱々のごはんにのせ、煎茶をかけて食べるというもの。結構おいしいです。
- 作者: 北大路魯山人,平野雅章
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1995/06
- メディア: 文庫
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