霧のむこうに住みたい

森まゆみさんの「その日暮らし」の中で、須賀敦子さんとの思い出が書かれていました。興味を惹かれ、早速アマゾンでこの本と、「コルシア書店の仲間たち」を買いました。


今日は、妻と子供たちは出かけたことだし、雨で自転車にも乗れないので、「霧のむこうに住みたい」を読みました。20年以上前に、須賀さんがイタリアに住んでいたころことなどを書いたエッセイ集です。


名も無い駅から出発した汽車の窓から、線路脇の電柱が流れて行く様子を見ながら、

この列車は、ひとつひとつの駅でひろわれるのを待っている「時間」を、いわば集金人のようにひとつひとつ集めながら走っているのだ。

という考えが降ってきた。とありました。


汽車に乗って、ボーっと外の景色を見るの、結構すきです。子供のころ、電柱を無意味に数えたり、電線がうねうねと揺れながら、後ろに飛び去っていくのを眺めるの大好きでした。夜汽車では、窓ガラスに顔を近づけてカーテンを頭の後ろからかぶせ、車内の光を遮り外の景色を眺めたりしてました。


今でも新幹線に乗って外を眺めている時に、猛烈な勢いで飛び去っていく景色の中に、ふと山肌の一軒家なんかを見つけると、そこにどんな人が、どんな生活をしているのか妄想してしまいます。


霧のむこうに住みたい

霧のむこうに住みたい