景気ってなんだろう

株の値段が上がったり下がったり。テレビをみると無駄に不安感ばかりあおられます。株にたくさんお金をつっこんでいる人なら右往左往するのも仕方ありませんが、そうでなければ、そんな騒ぎから一歩引いてじっくり、「景気ってなんだろう」と考えてみるのもいいのです。


将来の景気がどうなるかを議論する時、小さい部分での因果関係の説明はもっともらしくても、おおきな全体のシステムの中に位置づけると反対の結論になるので、腰を落ち着けて自分の頭で全体を考えてないと騙されます。考えてもわからないときはわかりませんが。


サブプライムローン問題をきっかけにアメリカの景気が悪くなったら、日本の景気はどうなるのか?一年前には、「輸出全体に占めるアメリカの比率は大分下がっているし、中国などの新興国国内需要もそれなりに成長してるやろうから、たいした影響ないやろ。」と考えていました。デカップリングの考えです。でも今になってみれば世界の輸出を一手に飲み込んでいたアメリカがコケタ影響は大きいようです。


こども向けの本ですが、景気循環、設備投資や消費が国内総生産に及ぼす影響、政府支出の乗数効果、海外の景気が日本に与える影響、財政政策と金融政策のカラクリとその限界、資産価格や資源価格が景気に及ぼす影響、など景気に関するひととおりの議論を整理できます。分量もそれほど多くなく、数式も出てこないので読みやすいです。直近のサブプライムローン問題がどんなカラクリで景気に影響するのか、アメリカがこけると日本の景気はどうなるのかについてもわかりやすく説明されています。

景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書)

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