アインシュタインをトランクに乗せて

1955年4月18日アルバート・アインシュタインの遺体を解剖したのが、病理学者ハーヴェイ博士。彼は研究のためと称して遺体から脳を摘出する。大学、遺族、軍がアインシュタインの脳みそを引き渡せと主張するが、ハーヴェイは頑なに拒み続ける。40年間かれは脳みそを自分の手元で保管し続ける。著者はハーヴェイ博士の居所をつきとめ、彼に会って、アインシュタインの脳みそを見せてもらう。ハーヴェイ博士がカリフォルニアバークレーに住んでいるアインシュタインの孫娘に会いに行くと言った時、著者は運転者をかってでる。こうしてアインシュタインの脳みそのホルマリン漬けをトランクに積んだ二人の大陸横断の旅が始まる。


どこまで本当なのか、怪しいお話です。奇抜なのはここまで。二人の旅自体ははありふれた、大陸横断の旅。ひたすら車で走って、ファーストフードレストランで脂っこい料理を食べたり、ドライブインでチキンヌードルスープを啜り、ラスベガスで小銭をスル旅。しかも、旅の結末はなんら劇的なこともなく、あっけなく終わる。でもこの力の抜けた加減がいい。もっともらしく感じます。


解説に翻訳者が書いていますが、天気のいい日曜日の午後にビールを飲みながらのんびり読むのに丁度いい。

アインシュタインをトランクに乗せて (ヴィレッジブックス)

アインシュタインをトランクに乗せて (ヴィレッジブックス)