野村総合研究所はこうして紙を無くした!

職場の紙の消費量、どんどん増えてます。台車に山積みの紙がどんどん使われていく。とりあえず下書きを作って、プリントして配って、また、ちょっと修正して打ち合わせ。「てにをは」を直してまた印刷。これを何度もくりかえすので全体では大変な枚数を使っています。プリンターの性能が上がり手軽に印刷できるようになって、特に最近はカラープリンターで、やたらに色鮮やかな会議資料を作りたがる。経費節減に心がけましょうと、呼びかける総務部門の声もむなしい。多分会社全体の紙の消費量、プリントにかかる経費の推移など、だれもデータすらとっていないと思う。


もらった紙の資料は保存にも困る。深い関わりのあるものであれば、ファイルをつくって系統立てて保存するのですが、とりあえずの参考情報としてもらった紙は、多分2度とみることがないけれど、もしものことを考えると捨てるにのは気が引ける。そんな、紙が雑件ファイルに山のようにたまる。どこにどんなデータがあるのかがわかっていれば、迷いなく捨てられるのですが、フォルダの構成が部署によって気ままにできているので、わからない人には全くわからない。


この本は、年間1億枚以上の紙を使っていた、野村総合研究所のノンペーパー活動のお話です。単純に紙を印刷しないとか、裏紙を使うようこころがけるとか、紙をスキャナーで読みこんで保存するとかいう、だけでなく、紙を使わない仕事の仕組みづくりのお話です。例えば、紙の資料なしで会議するために、全部の会議室のネットワーク環境とプロジェクタを設置、参加者はそれぞれ自分のパソコンをもって会議に参加、資料はプロジェクターの画面もしくはパソコンの画面で共有しながら会議をすすめる。情報共有の方法にしても、会社全体、部署ごとのファイルサーバーへの文書データの保存体系を定めて、何がどこにあるのかが誰にでもわかるようにしていく。こんな、職場だったら、きっと参考になるはずと冒頭にこう書いてあります。

1 自分の机の上に、ここ1週間以内に使用していない書類がある。
2 地震がきても、机の足元に隠れることができない。
3 周囲を見回すと、紙の山がある。
4 オフィスの壁には必ずキャビネットが置かれている。
5 業務文書を捨てる基準が明確ではない、気軽に捨てる環境がない。
6 机の島に必ずプリンターがある。
7 会議の資料準備に5分以上かかる。
8 同じ会議の参加者が各自同じ資料を持っている。
9 個人が自分のパーソナルコンピュータにファイルを保存している。
10オフィスの環境改善をしたいと思っているが、抵抗勢力がいる。

私の職場は、全部あてはまる。


生産現場の業務改善については、これでもかというくらい突き詰めてやっているのに、事務部門の改善っていつまでたっても進まない。個人の能力、経験に頼っている。スケジュールと情報を共有する仕組みができるだけでも大分変わってくると思うのですが。個人の心がけにすべてを任せて、対策した気になるのだけは勘弁して。

野村総合研究所はこうして紙を無くした! (アスキー新書)

野村総合研究所はこうして紙を無くした! (アスキー新書)