巡礼コメディ旅日記

ドイツのコメディアン、ハーペイ・カーケリングが、40日をかけて「聖ヤコブの道」を歩く巡礼の旅です。フランスの街、サン・ジャン・ピエ・ド・ポールから、スペインに入り、ほぼスペインを横断して、大西洋岸のサンティアゴまでの800Kmの道のりです。


 最初は他の巡礼者との交流を避けて1人で黙々と歩いていたけれど、そのうち、否応なく同じ道を歩いている巡礼者たちと知り合いになっていきます。裸足に革靴をはいて、シャツ一枚であるくアントニオのような怪しい人や、ドイツからきた中年夫婦のように気に障る人も。リバプールから来たアン、ニュージーランドからきたシーラとは、話すにつれて、親しくなり、最後は一緒に巡礼のゴールを迎えます。
 
 
 最初はちょっと難しいこと考えて、自分と向き合う。やがて、1人でいることに倦んで、人と話したくなる。気の会うひとと出会い、しばらく一緒に歩く。そのうち、また別れて、それぞれのペースで歩く。旅の中に、人生の出会いと別れが凝縮されいる。


 この本は、ドイツ300万部売れた戦後最大のノンフィクションのベストセラーになったそうだ。(戦前も含めたNo.1はヒトラーの「我が闘争」)本書を読む限り、ドイツ語圏ではほぼみんな知っているような様子だけれど、著者のハーペイさんって、日本でいうとどんな位置づけのコメディアンなんだろ。

巡礼コメディ旅日記――僕のサンティアゴ巡礼の道

巡礼コメディ旅日記――僕のサンティアゴ巡礼の道