とある居酒屋

場所は金沢駅近くのビルの地下1階。L字型のカウンターに8席、小あがりにテーブルが2つ。ご夫婦だけできりもりしているお店。8時過ぎにお店に入ると先客はなし。カウンターに座って燗酒を頼んで、黒板のメニューを見ると、いか、かわはぎ、鯖のお刺身、鰤かま焼き、梅貝の煮物、鱈の真子の煮物、白子酢、なまこ酢、にしんとジャガイモの煮物、いかと大根の煮物、油揚げ焼き、マカロニサラダなど、品数は多くないけれど、ツボを押さえた魅力的な料理が並ぶ。おすすめの生鯖のたたきをお願いする。ご主人が、まな板と包丁をきれいに洗ってから、冷蔵庫から鯖を取り出す。丁寧にさいころに切ってから、葱、ニンニク、大葉などの薬味で和えて出してくれた。これっぽっちも生臭さのないおいしい鯖でした。もう1品は鱈の真子の煮物を注文。鱈の卵を昆布で巻いて醤油で甘辛く煮付けたものが出てきた。甘さがちょうどよくお酒がすすむ。


しばらくしたら、サラリーマン二人連れがやってきて、鰤カマ焼きを注文。鰤カマに丁寧に包丁で切り目を入れてから焼き始める。焼き始めたらご主人はじっと魚を見つめたまま動かない。焼き具合を見て、微妙に位置をかえたり、箸で持ち上げたりしながら加減を調整している。こんがりとした焼き上がりはお見事。


とにかくご主人の仕事が丁寧で見ていてうっとりしてしまいました。