終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか
1974年の石油危機までに近代の経済成長はは行き着くところまで行ってしまった。成長の原動力となるフロンティアが地球上からなくなってしまった。その後は、新興国の経済成長と金融空間でのバブルでマネーを増殖させている。その、新興国の経済成長によって、石油などの資源への需要が増大し価格が高騰。利益率を維持するために先進国では賃金が下落しデフレ傾向。中流層が貧困化している。資源価格の高騰に対応するために原子力発電に頼ってきたが、3.11でその道も塞がれた。
今後は、近代が当然なものとしてきた経済成長(もっと多く、もっと速く)から脱却して違う秩序に基づいた社会になるだろう。ただ、その新しい秩序は未だ見えていない。日本のデフレ傾向は今後先進国全体も同じような状況になるだろう。数百年に一度の社会構造の大転換にともなうデフレなのでしばらくは続くだろう。
というようなことが、スペイン、イタリアが没落しイギリスが海の支配者として勃興してきた16世紀のグローバリゼーションになぞらえて語られています。「海と陸の攻防」など話が大きすぎてよく分からず、読み飛ばした部分も多かった。中心と周辺部との落差、経済格差がないとお金が回らず、経済成長が図れなくなり資本主義が行き詰まるというのは、橋本治のお話と近い内容だと思った。
- 作者: 水野和夫
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2011/09/06
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