「びょー」と鳴く犬

毎年7月から8月の土曜日の夜、県立能楽堂では「観能の夕べ」が開かれている。入場料1,000円で狂言と能を見ることができる。今年の春から子供能楽教室に通っている娘がチケットをもらってきたので、妻と娘と私の3人で出かけてきた。



今夜の番組は、狂言 柿山伏と能 枕慈童。


柿山伏はこんなお話。山から下りてきた山伏が、喉が渇いてたまたま見かけた柿の木に登って柿を盗み食いする。そこに木の持ち主が現れ、山伏は木の枝の陰にかくれようとする。山伏に気づいた持ち主は、山伏をからかってやれと、「あそこにいるのは、犬のようだ、犬なら鳴くのになぁ。」というと、山伏は犬のまねをする。「いやいや、あそこにいるのは猿だ。猿なら鳴くのになぁ。」というと、山伏は猿のまねをする・・・・。


犬のまねをする山伏が「びょー、びょー。」と鳴いていて驚いた。ワンじゃないのかと思い調べてみると、室町時代の文書では、「びょー」となっているそうだ。ワンが文献に登場するのは江戸時代以降らしい。びょーは犬の遠吠えの擬音だとの説明もあった。どう考えてもびょーとは聞こえないが。そういえばこんな本もあったので、今度読んでみよう。

犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書)

犬は「びよ」と鳴いていた―日本語は擬音語・擬態語が面白い (光文社新書)