Steve Jobs

何とか今年中に読み終えることができて良かった、良かった。


去年の秋に出張先で呑んだ勢いで発作的に欲しくなり、買って帰り150ページくらいまで一気に読んだものの、その後半年ほど放ったらかしに。その後は1日5ページづつコツコツと読んで、何とか571ページ読み終えた。


この本の中で何度も出てくるのは、大事な決定をする時や、大事な交渉をするとき、Steve Jobsが散歩にでかけること。家に来た交渉相手を散歩に誘って、歩きながら話をする。2時間でも3時間でも散歩しながら話している。確かに会議室で向かい合ってウンウン唸っているよりは、歩いている方が話しが進むような気がする。私は仕事に行き詰ると無闇にトイレに行きたくなる。トイレにそんなに用事があるわけでなく、トイレに行って一回り歩いてくると、ふと、解決策が見えてくるような気がするのだ。


面白いのは、彼がプロジェクターでスライドを映してプレゼンされるのを非常に嫌っていたこと。始まって2分もしないうちに、横槍が入って止めさせられる場面が何度も出てくる。わかってない奴がわかっているふりをするためにスライドを使っている、わかっている奴はメモ紙一枚でも、ホワイトボードに書きながらでも説明するもんだと考えていたようだ。特にプロトタイプを前にして議論することを好んだようだ。確かにパワポのテクニックを駆使した図表の沢山入った資料は、わかったような気にさせるけれど、中身が薄いことも多々ある。



製品開発にあたって、細部へものすごくこだわる場面。これも何度も何度も登場する。パッケージ、CM、ロゴ、店舗のデザイン。ユーザーにとって最も使いやすく快適な使い心地になるように、思い描く理想の状態を実現するために自社の管理が隅々まで及ぶ体制を整えようとしたSteve Jobsと、いろんな会社のパソコンに自社のOSを搭載できるようオープンな体制にして、市場の。シェアを獲得し、多くの会社が参入することでハード、ソフトのイノベーションが進むと考える、Bill Gates。


今はアップルが好調だけれど、15年前はマイクロソフトがパソコン市場を支配してアップルは倒産寸前。さて、これからはどうなるのか。携帯電話ではアンドロイドのオープン戦略がうまくいくのか、アップルのハードからコンテンツまで統合された使いやすさが支持され続けていくのか。私は今のところアップルの使い心地の良さから離れられない。


STEVE JOBS

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