日本農業への正しい絶望法

著者は、本来の日本農業の強みは技能集約型農業にある、日本の農業を強くするには、農作物をつくる技能を磨いて小さい面積から多くの、品質の良い農作物収穫する技能を磨いていくことにつきる。といいます。


今一番の問題は、これまで受け継いできた優れた日本の農業技術が失われつつあるということであり、そこから目をそらして、形ばかりの有機栽培や、6次産業化、企業の農業参入をすすめても意味がない、さらには、無原則な農地転用により優良な農地がどんどん失われていっているといいます。


農業をやるというと、政府もマスコミも美談にしたてあげようとするけれど、もっと深刻な問題があるということか。農地については、優良農地は原則として転用できないことになっていて、転用の手続も手間と期間がかかって大変なのだが、地元の人が転用したいと思えば好きなようにできてしまうのが実情。そんな状況では、腰を据えて取り組むこともできない。

日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)

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