漢文法基礎 本当にわかる漢文入門

この「漢文法基礎」はZ会の教材として連載されていた内容を一冊にまとめたもの。長く絶版になっていたが、2010年に講談社学術文庫で復刊した。今時、受験のためにここまで漢文を詳しく勉強する高校生もいないと思うけれど、じっくり漢文に親しんでみたいひとにはお薦めです。助字の意味と助字を使う文の構造を詳しく解説し、助字を手がかりに漢文を解読していく。タイトルに偽りなし、この本をマスターすれば白文が読めるようになりそうな気がする。


漢文を読み下すときは、「てにをは」の付け方一つで意味が全然変わってくる、文の内容、文の構造、論理のつながりを意識してもっとも合致する適切な送り仮名をつけることが大事だということがよくわかった。漢文をきっちり読みこなせるようになると論理的に考える力がつくと思う。


中学生の頃、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」を夢中になって読み、その元になった史記を読んで見ようと、白文と解説が乗っているハードカバーをセットで買い込んだことがある。何度も読んでいればそのうちわかるようになるかと思っていたけれど、そんな筈もなく、その史記は今も実家の本棚にある。久しぶりに史記を引っ張り出してきて、漢文法基礎を片手に読んでみるか。

大学にめでたく進学後、大学時代はもちろんのこと、大学卒業後の社会生活において、なんでもいい、漢詩文の名作・古典を常に読んでゆくことじゃ。それも独り静かに読むことじゃ。すぐには役に立たんが、そこが重要。<無用の用>ということがある。この<無用の用>が君をきっと支え、励まし、最高の友人となってくれるであろう。これからの人生、幾山河の苦難はあろうが、古典を友として、たじろがずに行け、若者よ。


漢文法基礎  本当にわかる漢文入門 (講談社学術文庫)

漢文法基礎 本当にわかる漢文入門 (講談社学術文庫)