生命と偶有性

私たち日本人は今、「不安」を避けて逃亡する巧みさよりも、あえて不安をもたらしているものの正体を見据え、正面から向き合う愚直な勇気こそ必要としているのではないか。
 日本人を不安にさせているものの正体に、人々は次第に気付き始めている。その正体とは、すなわち、「偶有性」である。

偶有性とは、予測できないことが起こるのはあたりまえ、ということ。人間(の脳)は、生き残るために環境のなかから必死で確かな「法則性」を見つけ出そうとする。法則は確かにあるのだけれど、予測できないことが起こる可能性をゼロにすることはできない。この世は確実さと不確実さが入り混じった状態であり、生命はこの偶有性を生き残るように進化してきた。覚悟を決めて偶有性の海に飛び込め、と茂木さんはいいます。私の身の回りも、不測の事態を避けるために新しいことに挑戦することなく、あたり障りのないところで妥協して、ゆで蛙状態になっているような気がします。

生命と偶有性

生命と偶有性