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動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

一年前の私と今の私。物質としては全くの別人だそうです。毎日の食事を消化して、アミノ酸やらブドウ糖を体内に取り入れて新しい細胞が出来て、古い細胞は排出される。脳細胞も数は変わらないが細胞を構成する物質は日々入れ替わっていく。体を構成する物質はすっかり入れ替わるけれど、私が私であると意識している。


川の水は常に流れているけれど、川は川としてずっと同じであるように、生き物とは体内を通過する物資の一時的な淀みであり、そこで行われる活動であると、著者の福岡先生は言います。プラモデルや機械のように必要な物質を組み立てると生命が誕生するのではなく、細胞同士が相互に作用しながらおこなわれる活動そのものが生命なのだといいます。


だから、福岡先生は遺伝子組み換えや再生医療には懐疑的です。遺伝子操作やES細胞を使って治療に必要な細胞を一時的に作ることは可能かもしれないが、それを体に移植してきちんと機能するように完全にコントロールすることはできないのではないかといいます。


動的平衡を主題としながらも、ダイエット、病原体、ミトコンドリア、意識など各章のテーマは多岐にわたっており、それぞれが目から鱗のような話ばかりです。

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか