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龍樹

龍樹(=ナーガルジュナ)は紀元150〜250年くらいに、あらゆるももは相互依存する現象に過ぎないという「空」の考え方を精緻に説いた人です。その思想は大乗仏教に引き継がれ日本の仏教にも大きな影響を与えています。この本は、まず、インド哲学の世界的な権威である中村元さんによる龍樹の思想の解説があり、最後に「中論」の全文やその他龍樹の著作の抜粋がおさめられています。


私は、道元正法眼蔵の内容がよくわからないかったので、岩波文庫の「ブッダのことば」など中村元さんの著書を読んで行くなかで、この本に行き当たりました。歯ごたえはありますが、大変わかりやすい本です。


正法眼蔵の中に、「去る者は去らず。」とあり、意味がよくわからなかったのですが、これは中論で詳細に触れられている言葉だということがわかりました。「去る」という行為と、「者」が、事前に存在するのではなく、去るという行為を行う限りにおいて、行為する者が立ち上がる。だから、去る者が、さらに加えて去ることはできないという意味らしい。


「机」という存在、「私」という存在が、事前に実態的に存在し、「私が机を使う」行為があるのではない。私が何かを机として使うという行為があって、その何かが机として立ち現れるのであり、それと同時に何かを机として使っている「私」も立ち現れる。というようなことだと思う。


空は無とは違います。無は有を前提としての無であり、有でも無でもない一切は見せかけだけの現象であり虚ろである、というのが空の立場です。すべては相互に依存して現れる現象であり、相互依存で何かが生じることを「縁起」といい、「縁起」の原理を受け入れることが覚るとこうことだそうです。


仏教もなかなか面白い。

龍樹 (講談社学術文庫)

龍樹 (講談社学術文庫)