松浦弥太郎の仕事術

著者は雑誌「暮らしの手帖」の編集長。暮らしの手帖はかなり好きです。料理、掃除、旅。何に対しても、ていねいに関わっていく姿勢好きで、毎年1、2回は買っています。もう5年分くらい本棚に並べていて、時々取り出して読み返しています。


この本では、松浦さんが、仕事や日々の生活に対する向き合い方について綴っています。いちばん共感したのは、最初の章「仕事とは自分を役立てること」

自分の行いが、人の役に立つ。
自分の中にある何かが、人に幸せを与える。
簡単に言えば、仕事の目的とはこういうものだと僕は思います。仕事とは個人の楽しみではなく、自分が社会とかかわっていく営みだと考えます。

著者は、高校をドロップアウトして「いったい自分は、何のために生きているだろう。」と悶々と日々を過ごしていた頃、建設現場で働きます。その時、雇い主にタバコを買ってこいと言われ、大急ぎでかってきたときに、「お、早いな」ほめられたことが、心躍るほどの喜び、自分が人の役に立ったという実感につながったと言います。


私も、大学の頃同じようなことがありました。何をやっても面白くなく、頭でっかちに生きる意味を考えていても、たこつぼの奥に行ってしまうばかりで、大学に行くのもいやになり部屋に籠っていました。お金がなくなり仕方なく手っ取り早く現金が入る工事現場にバイトに行きました。一日一生懸命働いて、親方やバイト仲間に、ありがとうと言ってもらったときの喜び、目の前が開けたような感じは今も忘れられません。

松浦弥太郎の仕事術

松浦弥太郎の仕事術