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思考する機械 コンピュータ

 毎日使っているけれど中身は全然わかっていないので読んでみました。

 

この本が面白いのは、コンピュータをマイクロプロセッサやメモリなどのハードウエアから語るのではなく、まず、コンピュータというものの考え方を説明します。

  • コンピュータというのは人間の思考を扱う機械である。
  • コンピュータは、基本的な論理演算を実現する仕組み(論理演算回路)と、処理の結果を記憶する装置(レジスタ回路)とから成り、時間の経過に沿った処理を表現できる有限状態機械である。
  • どんな複雑な論理演算も、AND関数(両方とも1なら1を返す)、OR(どちらかが1なら1を返す)、INVERT(1なら0を、0なら1を返す)の組み合わせで表現できる。電子回路で言えば、2つのスイッチを直列につなげばAND関数を、並列につなげばOR関数を実装できる。
  • コンピュータは電子回路でなければ作れない訳でない。原理から言えば、水の流れと弁の組み合わせてつくる流体コンピュータもできるし、糸と棒を組み合わせて作ることもできる。電子回路は処理速度が早く高い集積度を実現できるというだけで本質とは関係ない。

このあとプログラミング、チューリングの万能機械、アルゴリズム、並列コンピュータ、学習できるコンピュータへと話が展開していきます。

 

著者は人間の脳も情報処理装置の一種であり、十分な処理速度と記憶装置、適切なソフトウエアがあれば、人工知能も可能だという立場です。ソフトウエアについては自動生成させて、その中から処理速度の早いものを集めて、そのパーツの組み合わせで次の世代のソフトウエアを作るということを繰り返す、生物の進化と同じようなやり方で作ることができるといいます。

 

1997年頃に原著が執筆されていますが、原理を扱っているので今読んでも全然古さを感じさせません。文系だけどコンピュータに興味ある人におすすめです。

文庫 思考する機械コンピュータ (草思社文庫)

文庫 思考する機械コンピュータ (草思社文庫)