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意識と脳 思考はいかにコード化されるか

 意識とは何か?という問いに対して、科学がどこまで解明しているのか、現在の状況がよくわかります。1990年代以降、fMRIや脳磁計などの装置を使って脳の各部分活動状態がリアルタイムに解明できるようになり、実験によって意識した時と無意識の時の脳の状態が詳細に比較できるようになったそうです。

 

ある画像を、その直前と直後後に全く関係のない画像(マスク画像)にははさんで一瞬だけ人に見せると、本人は見たという意識がないけれども、脳の感覚野には届いているそうです。意識できない数字の後に、はっきりと意識できるように数字を見せて、後に見せた数字が5より大きいか小さいかを回答させると、意識できない1の後に2を見せた時よりも、意識できない9の後に2を見せ時の反応時間が長くなるそうです。最初に見せられる数字は意識できないけれど、数字の大小の判断が左右されるのです。そして、最初に数字を見せる時間を変化させることで、無意識の状態と意識の状態をコントロールし、それぞれの時の脳の活動状態を調べることが可能となるのです。

 

識閾下の刺激は皮質の奥深くまで伝播され得るが、この脳の活動は、気づきの閾を超えると強く増幅される。するとそれは、他の多くの領域に伝えられ、頭頂葉前頭前野の神経回路の突然の点火を引き起こす(第1の意識のしるし)。(以下第4のしるしまでありますが省略)

 

植物状態の人、昏睡状態の人に聴覚の刺激を与えながら、このような意識のしるしが脳に現れるかどうかを調べることで、本当に意識がなくなっているのか、意識はあるけれど反応を返すことができないだけなのかがわかるそうです。

 

厳密に条件をコントロールした実験を積み重ねて、意識とは何かを探っていく過程がおもしろいです。人工知能に興味がある人にもおすすめです。

 

意識と脳――思考はいかにコード化されるか

意識と脳――思考はいかにコード化されるか