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単独飛行

「乙女の金沢 春うらら市」に出店していた古本屋さんで見つけた本。作者のロアルド・ダールは映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作となった「チョコレート工場の秘密」を書いた人、というのはいっしょに行った妻に教えてもらった。


1938年にシェルカンパニーの社員としてアフリカに赴任し、第二次世界大戦が勃発すると半年間の訓練を経てイギリス空軍のパイロットとなりアフリカ、ギリシャパレスチナを転戦、1943年にイギリスに帰国するまでの自伝だ。


パイロットになって初めて配属された部隊へ単独飛行で向かったものの、滑走路を見つけられず砂漠に不時着して大けがする。半年後にようやく回復して配属されたはいいけれど、乗ったこともない飛行機にいきなり乗せられて、すぐにドイツ軍との空中戦にほうりこまれる。ドイツの圧倒的な戦力の前に次々に同僚のパイロットは撃墜され死んでいく。かなり悲惨な状況だが、ロアルド・ダールは悲惨さを強調することもなく淡々と書く。戦いから帰って来て滑走路脇に飛行機を止めて歩いているときに見た、ギリシャの青空や滑走路脇の花の美しさ、風の心地よさを綴る。その数分後には敵機がやってきて機銃掃射され大変なことになるのだが。


悲惨な状況も、たいして大変なことでないかようにさらりと書いてしまうのがかっこいい。


単独飛行 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

単独飛行 (ハヤカワ・ミステリ文庫)