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能楽への招待

 タイトルの通り能の歴史や能面の解説、演目について一通りの解説もありますが、多分著者が言いたかったのは、ゆっくりとした能楽の動きの裏に研ぎすまされた内面の充実があるということ。そのことを示すために中国の武術家の言葉を引き合いに出します。

不動の動は、外形が動いていないほど、その内部では早く動く。外部の動きが大きければ、内部の動きは遅くなる。

 

そして実際に能を演じる中では次のように言います。

大きい動きよりも小さい動き、小さい動きよりも動かぬことにより力があるように思われます。これは内面の驚異的な力と言えるでしょう。奥義を知っている能楽師は、大きく華やかな動きを嫌う傾向にあります。というのは、小さな動きで強烈な印象を与える秘密を知ってしまったいま、あえてそれ以外のことをする必要がないからです。

 

ここまで読んで、坐禅と共通するところがあると思っていたら、最終章では能楽と禅の関係についての言及がありました。

現代坐禅講義 - benton雑記帳

 

能楽への招待 (岩波新書)

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