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阿含経典1

 阿含経典は、原始仏典の中の相応部経典の中国語訳。釈迦が弟子たちに直接話した言葉をもっともよく伝えていると言われている。相応部経典とは、縁起、因縁などのテーマに関連した説教をまとめて編集した経典です。

 

1巻では、仏教における存在の法則である「縁起」と人間の構成要素を分析した「五蘊」に関する説教がまとめられています。

 

縁起は、苦が発生する原因の連鎖、道筋を示したもので、

無明(無智)→行(意志の動き)→識(識別する作用)→名色(五蘊)→六処(感覚器官による認識)→触(接触)→受(感覚)→愛(渇愛)→取(取著)→有(存在)→生→老死→苦と続きます。

 

苦を滅尽するためには、生を、有を、取を、・・・・・無明を滅尽しなければならないというのが、釈迦の教え。仏教では「愛」という言葉は、喉が渇いた人が水を欲しがるように、どうしても手に入れたいと悶えることを示しており悪い意味で使われます。

 

五蘊とは、人間を成り立たせている要素全体を示したもの。人間は、色(肉体)、受(感覚)、想(表象)、行(意志)、識(意識)から構成されると言います。釈迦は、色受想行識のそれぞれは、何か確固たる実体があるわけでなく、うつろいゆくもの、無常であり、無常なものは苦である。また、無常であるということは、これこそが我であると言えるような実体があるわけでなく、無我であると説く。だから注意深く五蘊を遠ざけよ、執着するなと説きます。

 

苦を滅尽し心を穏やかに保つためにはどうすればよいのかを、縁起や五蘊の概念を使って理路整然と説くので、宗教というようりは自己啓発のハウツー物に近いと感じました。

 

阿含経典〈1〉存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群 (ちくま学芸文庫)

阿含経典〈1〉存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群 (ちくま学芸文庫)