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ザ・会社改造 340人からグローバル1万人企業へ

 著者の三枝匡が株式会社ミスミの社長として企業改革に取り組んだ実話を元にした、企業経営ドラマ。改革の過程で遭遇する数々の修羅場が生々しく描かれていて迫力あります。

 

新たな事業計画の立案、製品別損益を正確に把握するための原価計算制度の改革、一気呵成の国際展開、社内に生産機能を取り込むための企業買収とその後の生産工程の改革、受注の窓口となるコンタクトセンターの集約など、一歩間違えれば会社が傾きかねないリスキーな改革に同時並行で挑んでいく。

 

自分が過去にやらかした失敗を重ね合わせて身につまされたのは、「制約条件の解放」だ。挑戦的なプロジェクトをやっているとなかなか思うようには進まない。でもプロジェクトの期限は重要。そんな中でプロジェクトリーダーが無理やり期限に間に合わせようとして中途半端なことをやろうとすると、社長は毅然とダメ出しをしてやり直しを命ずる。同時にプロジェクトの期限を現実的なところに修正する。これが「制約条件の解放」だ。プロジェクトのリーダーは苦しくても自分から期限の延長は言い出しにくい。腹をくくって短期的な損失を覚悟でプロジェクトの延期を宣言する。社長にしかできない役割だと著者は言う。

 

もう一つ確かにそうだと思ったのは、とにかくTAT(turn around time)が大事ということ。顧客の発注、顧客からの問い合わせにいかに早くレスポンスするか。そのためにはバッジ処理ではなく、単品処理。多能工化がポイントと著者は言います。

 

自分の組織のミッションは何か、強みは何なのか。今何を問題だと考えるのか。それを克服するために何をしなければならないのか。基本に帰ってまずはそのあたりからきちんと考えないと始まらんなと思った。