幻視の座 能楽師・宝生閑 聞き書き

 宝生閑は下掛宝生流のお家元で人間国宝にもなっている方。下掛宝生流というのはワキ方の流派。能楽では主役となるのがシテ方ワキ方シテ方の相手となる役割。

 

能には、諸国一見の僧がワキ方として登場し、ワキ方の夢の中に死んだ人の魂がシテ方の姿をとって現れる「夢幻能」という形式のものが多いそうです。この本のタイトルの「幻視の座」はそんなワキ方の役割を表したものです。

 

聞き役である著者はこの本の中で、宝生閑の能楽を見て感動して涙が止まらないとか、宝生閑の立ち姿を見、謡曲を聞いて能楽の場面が目の前にありありと立ち現れるようだと言っている。好きな人にはそんな感動を呼び起こすのかと思うが、見始めたばかりの私にはもう一つピンとこない。

 

しばらくは、わからないなりに能を見ていきたいと思う。

幻視の座―能楽師・宝生閑聞き書き

幻視の座―能楽師・宝生閑聞き書き