岩波講座 日本歴史 第5巻 古代5

ようやく平安時代院政期まで読了。今から約1000年前だ。縄文時代の前から歴史を通読してくると、1000年前が身近に感じる。たった30世代前のことじゃないか。

 

律令制度によって確立した天皇を中心とする公的な政治の仕組みが、有力寺社や摂関家などとの私的な関係による支配に蚕食され、租税徴収などの実際の支配が受領にアウトソースされて行く。

 

興味を持って読んだのは仏教の動き。宋から密教浄土教を取り入れて、独自に発展させていき、宋で仏教が迫害されて衰えた時に逆に仏典などを送っている。例えば源信の往生要集。これは、極楽往生するためのマニュアル本で、様々な仏典を引用して地獄の様子を事細かに描写してあるという。我々が「地獄」と聞いた時にイメージする映像、血の池獄や針地獄などの元となっている本だ。

 

洞窟の中に地獄絵図を再現したハニべ岩窟院は小学校の時のおきまりの遠足コースだったけれど今もやっているのだろうか。

 

古代5 (岩波講座 日本歴史 第5巻)