熊楠と猫

動物とも植物ともつかない不思議な生物、粘菌の研究者であり、和漢三才図会や本草綱目を中学生の時に筆写し暗記していた博物学者でもある南方熊楠。彼は大変の猫好きだったそうだ。

 

熊楠が猫について書いた文章や俳句、スケッチを集めた本です。熊楠について何らかの本を読んだことがある人なら、どこかで聞いたようなお話しが多いですが、熊楠が書いた絵を眺めるだけでも、この本を手に入れる価値あり。筆で描いた、柔らかい線で愛嬌がある、だけどどこか生臭い生命力を感じさせる猫です。

 

熊楠は1867年生まれで1941年、74歳で永眠。ということは、私の100年前に生まれている。19歳の時にアメリカにわたり、キューバ、イギリスを経て、1900年、33歳の時に日本に帰国、和歌山県に住み始める。昭和天皇に粘菌について御進講したのは1929年、63歳の時。巻末の年表で、熊楠がやっていたことを、自分の年齢と照らし合わせてみる。熊楠と同じ74歳まで生きるとしたら、残りはあと22年。

熊楠と猫

熊楠と猫