あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた
ヒトは100兆個の細菌と共に生きているそうだ。細菌の主な住処は大腸の中。少し前までは、なんのために存在するのかわからなかった虫垂は、実は、腸内細菌の退避場所、控え室のような役割があるらしい。皮膚の 表面にも住み着いている。共生する細菌の種類のバランスが変化するとニキビができるなど肌の調子も変化するそうだ。
食物アレルギーや花粉症、アトピー性皮膚炎、多発性硬化症、自閉症、下痢を伴う慢性的な腸炎、肥満。20世紀後半以降、主に先進国で多発するようになった病気は実は、腸内細菌の多様性やバランスが崩れたことが原因ではないか。そして、腸内の生態系が崩れたのは、抗生物質によって病原菌と一緒に腸内細菌も駆除されているからでないか。と、著者はこの本で問題提起する。
一旦崩れてしまった生態系を回復するためにはどうすれば良いのか。健康な腸内環境を持つ人の糞便を生理食塩水で薄めて腸内に移植するのが一番手っ取り早くて確実とのこと。心理的にかなり抵抗があるけれども、病気によっては即効性があるとのこと。
ヨーグルトを食べて、乳酸菌などの腸に良いとされる菌を口から取り込んでも、なかなか腸まで到達しないし、到達してもたかだか何億個なので、数十兆個ある腸内細菌全体からみれば微々たるもので、腸内に定着して増殖するまでにはならないらしい。
菌を口から取り込むよりも、肉や脂肪、糖の取りすぎで、多様性がなくなった菌の種類を増やすために、食物繊維を多く食べる方が効果があるそうだ。野菜や果物、穀類などの植物を多めに、肉を少なめに食べるといいそうだ。
「野菜はカロリーがないので食べる意味がない。」のではない。腸内細菌に食べさせるために必要なのだ。
ということで、これから「ほがらか村」(金沢市農協の直売所)に行って、野菜を買い込んできますわ。