成人式

地域の公民館主催の成人式に参加するために、東京から息子が帰ってきた。

 

私は20歳の頃、いじけて世間を斜めに見ていて、「成人式なんかアホくさ。」と思っていたので、親に散々言われてけれど参加しなかった。成人式には全くこだわりは無く、息子には成人式あるけど出たければ出ればと伝えていた。一方、妻は振袖をきて写真撮って、両親にもきちんと祝ってもらったらしく、息子には人生の一つの区切りだから成人式には何があっても出席しなさいと強く勧めていたようだ。

 

成人式は日曜日の午前中にホテルで式典があって、引き続き昼食会も行われる。式典には親も出席していいらしく、妻は出かけると張り切っている。その日の夜は息子と同じ小学校に通っていた母親たちの呑み会、月曜日には同じ幼稚園に通っていた母親たちのランチ会があって旧交を温めるそうだ。成人式の主役よりも母親達が盛り上がっているのを見て、なんだかなぁと思っていた。

 

ただ、よく考えると、子供が小さい頃は子育てのほとんど全てを、幼稚園の送り迎えから幼稚園の行事、小学校のPTA活動などを妻に任せっきりだった。私は仕事にかまけて遠巻きに眺めるばかりだった。そう思うと妻にとって成人式は、子育てが完了した大事な節目なんだろう、私にとっての重要さとは全然違うのかもしれないと思った。だから呑み会にもランチ会にも気持ちよく送り出そうと思った。