地元がヤバい!と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

 東京の企業で働いていた主人公が、母の頼みで地元の商店街での実家の商売を廃業しようとするところから物語は始まる。廃業の手続きのため週末ごとに実家に帰っているうちに、地元に残って飲食業で成功した同級生に誘われて、実家をリノベーションすることを考え始める。飲食業や英会話教室などのテナントに入居してもらい家賃収入を稼ぐとともに、商店街の活性化にも貢献しようという目論見だ。

 

地域活性化の成功事例を小説仕立てで読ませる内容。小さいながらも自分で稼いで事業として成立させないと継続しないし広がっていかない。補助金で賑わい創出事業をやったり、ハコモノを作ったところで続かないし、補助金を使うことに疲弊しハコモノの維持管理コストの負担に苦しむことになるというお話。

 

地域活性化や商店街振興などに何らかの形で関わったことがある人なら、「その通り。」と膝を打ちたくなる内容。特に、補助金は一旦使い始めると、それなしでは事業を続けていけなくなる、麻薬のようなもの。というお話は身につまされる。行政がやるべきこと、やってはいけないことを考えるきっかけとして読んでおきたい本。

 

著者は、高校生の時から商店街の振興、活性化に関わってきた木下斉さん。今も地域再生事業に自ら投資して関わっている方。

地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門

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