ルームシェア

東京国立博物館を見物した後に、年末に引っ越した息子のアパートを訪ねた。博物館から東京芸大の横を歩いて谷中へ向かう。そこから根津神社、日本医大の横の坂を登る。途中に金沢の別院通りにある喫茶店、「謎屋珈琲」の支店を見つける。

 

30分ほど歩いて、アパートに到着。アパートは3階建で、息子は、3階の15畳くらいのリビング・ダイニングと6畳の間がふたつある部屋に、友達と二人で住んでいる。いわゆるルームシェアだ。この辺りは家賃が高すぎて、普通にアパートを一部屋借りると、10万円近くするので、家族用の部屋を二人で借りてシェアしているのだ。これで、なんとかこれまで住んでいた下北沢の部屋と家賃の負担が同じになるらしい。

 

アパートの中を覗くと、息子の相方がゲームをしていたので、初めましてのご挨拶。小柄な好青年といった感じ。二人ともそれぞれが一人暮らしをしていたので、テレビ、電気釜、冷蔵庫、電子レンジが二つづつある。またいつかそれぞれ一人になるので全部捨てずに置いとくそうだ。引越しのダンボールやらゴミが部屋全体に散乱していたので、お土産の鱒の寿司と預かってきたお年玉を渡して、息子と二人で昼飯に出かける。

 

途中で大学のキャンパスを案内してもらう。大学までアパートから歩いて10分、上野公園まで歩いても30分。夏目漱石吉田健一の小説に登場する場所に住めていいな、と思いつつキャンパスをぶらぶら歩く。

 

なんでも好きなもん食べさせてやるから、何処か連れて行け。と言ったところ、インドカレーがいいというので、大学近くのインド料理屋に入る。息子によると、ラーメン屋、インド料理、ケバブ屋がやたらに多いらしい。本当は、洒落た洋食か、ステーキなど食べさせてやりたかったのだが、私はこの辺の店も知らないし、息子が上下ジャージのくつろいだ姿ということもあり、インド料理屋で安上がりに済ませることとなった。話を聞くと、昨日まで秋学期の試験だった。3週間開けて4科目の試験があって、その翌日からは千葉で自転車部の合宿の予定とのこと。その合宿が終わったら帰省できるかもしれない。あまり自炊してなくて、アパートで炊いたご飯を学食に持ち込んで、学食のお惣菜だけ買って昼飯にしているらしい。上京する時に持たせた貯金も自転車につぎ込んでほとんど残ってなくて、春休みの合宿の費用はUberEatsでバイトすると、涙ぐましい事をいうので、ステーキを食べるはずだったお金はお小遣いとして渡してきた。

 

12月に腰を痛めてから全く自転車に乗っていないというのが心配だ。早く医者か整骨院に行くように言って別れた。