エレガントな宇宙 超ひも理論がすべてを解明する
すべての物質はきつう巻きついた「ひも」からできている。ひもの振動の仕方によって、いろんな粒子の性質が決まるそうです。「ひも」が相対性理論から量子力学までを矛盾なく説明できる究極の理論とのことです。
「ひも」の大きさは1センチメートルの10億分の1の10億分の1の100万分です。当然、現在の技術では見ることもできない世界です。その大きさでは、通常はなめらかである空間が波打ち、相対性理論がなりたちません。そこにひもが振動していて、通常の4次元(空間+時間)以外の7次元の空間が小さく巻き上げられている。こう仮定することで、相対性理論と量子力学の矛盾を解消し、万物の成り立ちを全てうまく説明できるかもしれないそうです。
私は高校の物理の授業はさっぱり理解できませんでしたが、この本は身近な例をたくさん持ち出してわかったような気にさせてくれます。アインシュタインは相対性理論で何を言おうとしたのか、量子力学とは何かから説き起こして、この二つの理論が同時には成り立たない世界があることを示します。その後にこの矛盾を解消する「超ひも理論」の説明、ひも理論から見た宇宙の誕生やブラックホールの解説へのすすんでいくので、全くの素人でもなんとか付いていけます。
わかったような気になったこと(本を読み返えさなくても思い出せたこと)
- この世は4次元(3次元空間+時間1次元)→人と待ち合わせするには、地図上の位置と建物の階数(高さ)と待ち合わせの時間を決めないと会えないでしょ。
- 静止している人の時間は光の速さで流れる。→空間を速くうごけば動くほど、光の速さの成分が空間移動に使われるので時間の流れが遅くなる。
- 重力は空間のゆがみ→トランポリンの上に置いた、ボーリングの玉の周囲のゴムがゆがんでいるようなもの。極端なものがブラックホール。
- 量子力学で発見されたさまざまな粒子は、ひもの振動である。
- 大きな世界では4次元だが、小さい世界では4次元+7次元の世界。7次元は小さく巻かれている。
あまりにも日常の実感から離れているので、妙な妄想を聞かされているような気もしますが、こんなことを一日中考えている人もいろのかと思うと、少しうれしくなります。
- 作者: ブライアングリーン,Brian Greene,林一,林大
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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