セレモニー

仮通夜、通夜、葬儀、火葬、中陰、納骨、初七日までのお参り、お世話になった人へのあいさつまわり。一週間のうちに執り行われるこれらの儀式には、気持ちをまぎらわしたり、整理したり、切り替えたりする過程がおりこまれていました。


病院から家に帰ると、葬儀社の人との打ち合わせです。お願いするお坊さんの日程と火葬場の日程を押えて、通夜と葬儀の日程を決めます。祭壇、棺おけはどうする。霊柩車のタイプはどうする。盛花、篭盛は誰にいくら出してもらうのか。香典返しの内容と用意する数はどうする。通夜の晩に用意する食事の数、中陰のお膳の数をどうする。葬儀会場と斎場との移動手段はどうする。短時間のうちに決めなければいけないことが山のようにあって、悲しみに浸る間がありません。


そうこうしているうちに、次々とお悔やみの方がいらっしゃいます。これまでの経緯を何度も何度も説明していると一日目はあっという間に終わりました。


次の日も、お悔やみの方への応対をしているうちに、納棺の時間。通夜の会場に移動してばたばたしているうちに通夜が終了し、親しい人だけの夕食。その後、11時を過ぎた頃から、いただいたお香典を整理して、焼香と弔電の読み上げ順を決めます。地域によって、町によってやり方はいろいろあるので、どうでもいいのですが、どうでもよくないのが焼香順。恥ずかしくないように色々考えれば考えるほど、訳がわからなくなり、なかなか決まりません。時間だけがどんどん過ぎて、明け方4時を回る頃がストレスのピーク。親族どうしの揉め事も勃発しました。


夜が明けた頃にようやくまとまって、一眠りすると、もう葬儀の時間です。この頃になると頭が朦朧として、ボーっとしているうちに葬儀は終わってしまいました。斎場へ移動して、火葬。骨になった姿をみると、妙にすっきりして、胸のつかえがスッととれたように思いました。


翌日に親族が集まって、納骨のお参り。それから初七日まで、集まる人が少しずつ減りながら、普段の生活に戻っていきます。