行動経済学会

12日、13日と名古屋大学で開催された第3回行動経済学会に参加してきた。別に研究者でもなんでもないけれど、ちょっとおもしろそうだったので、妻に無理を言って年末の忙しい時に家をあけさせてもらった。


これまでの古典派や新古典派経済学では、個人は間違った判断をすることはあるが、社会全体としてみれば合理的に行動するはず、合理的に行動しないはずがないというのが根本的な前提です。でも、本当にそうかいな? 人はダイエットや禁煙には失敗しつづけるし、合理的に考えれば割の合わない宝くじを買い続ける。将来を見通して老後の資金を貯金することもない。人に共通する判断のゆがみがあるのではないか、そのゆがみを織り込んで経済学を構築しようというのが行動経済学の立場です。


例えば、100円得する喜びよりも、100円損する悲しみを大きく感じてしまうという「プロスペクト理論」があります。ゆがみは、他にもこんなんあります。
http://d.hatena.ne.jp/benton/20060611/p1


2日間、研究者の皆さんのお話を直に聞けて良かった。本を読むよりも、短い時間で濃い中身を吸収できました。実験の結果の解釈にからんだ研究者同士の緻密なやり取りが、理屈と理屈の格闘技のようでした。本もいいけど、気になる人に直接会って話しを聞くのも面白いです。
行動経済学会のHP:http://www.iser.osaka-u.ac.jp/abef/