イスラエル全史 上
19世紀はじめのユダヤ人国家設立に向けての動きから現在まで、文字通りの全史です。まだ上巻の途中までしか読んでないです。
19世紀にロシア、ヨーロッパでの民族主義の動きが高まるにつれて、それまで各々の国の中でそれなりの地位を占めて生活していたユダヤ人が民族として注目され、はじき出されていきます。その結果として、ユダヤ人の自分たちの国を持とうという機運がたかまり、パレスチナへの入植運動が始まります。欧米諸国にとってもユダヤ人国家ができて、ユダヤ人がそちらに移動することは都合がよかったのか、始めは積極的に認める立場をとります。
その後アラブ諸国に埋蔵されている石油の莫大な価値が判明してくると、イギリスもアラブ全体を敵に回すわけにいかなくなり、あいまいな態度に変わっていき、パレスチナへのユダヤ人の入植を妨害する立場になります。
イラクの話も関連しますが、20世紀のいろんな災難の根源に「民族主義」があるような気がします。そもそも「民族主義」何で、いつ頃、誰が言い始めたことなんだろう。

- 作者: マーティン・ギルバート,千本健一郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2008/12/19
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