柴田是真 漆*絵 展

妻と子供達が大阪へ帰省したのを幸いに、富山の水墨美術館へ柴田是真の漆絵を見に行ってきた。色漆を駆使した絵や、文箱や印籠などの漆芸品、水墨画が80点あまり展示されていた。


見た目は陶器の茶入れだけど、実は漆で飴色に塗り陶器に似せて作ったものや、紫檀や青銅ににせた漆器、古い墨に見せかけた印籠は、その超絶技巧はすごいと思うのですが、あまり興味なし。黒漆の地の上に黒漆で絵を描いた『闇蒔絵』の印籠は、渋好み。


どれか一つタダで持って帰ってもいいと言われるなら、蝙蝠が描かれた角盆が欲しいと思った。江戸の頃、蝙蝠は字が福に似ていることから、縁起が良い図柄としてよく使われていたそうで、この角盆には金と黒の2匹の蝙蝠が描かれている。蝙蝠ががスッキリとした形に図案化されていて古さを感じさせない。


漆絵という形で、水墨画や油絵を比較すると、漆は黒が美しいと思った。漆の黒は闇のように深いのがいい。