手仕事の日本

昭和10年代に、柳宗悦が産地を訪ねて確認した、全国の美しい手仕事の品を北海道から順番に紹介していく本です。今はもう残っていない手仕事も多いのではないかと思います。多く紹介されているのは、和紙、絣、紬、陶器、磁器です。既に商業主義に毒されていい手仕事が減ったと嘆いています。また、茶道具として技巧を凝らしすぎたものは、健康さに欠けると評価は高くありません。各地の荒物屋に、その土地独自の素朴な手仕事の品があるといいます。


100年前の人たちは、それしかなかったとはいえ、手織りで、本藍染の絣を着て、手作りの竹細工のざる、職人さんが一つずつつくった刃物を使い生活していた。うらやましや。今、いろんな商品が安く買えるとはいえ、安物大量に家に抱え込んでそれがどうなん?と思います。

手仕事の日本 (岩波文庫)

手仕事の日本 (岩波文庫)