白楽天 官と隠のはざまで

今年の1月1日の朝起きて、テレビをつけたらNHKで漢詩の番組をやっていました。そのとき紹介されていたのが、白楽天の「卯時酒」という詩です。卯時というのは午前6時のこと、つまり朝酒ほど良いものはないという呑気な詩です。
卯時酒:http://home.att.ne.jp/wave/ayumi/SakeLave/Hakkoi01.htm


「朝酒を飲めば、春が腸を貫くよう、背中がぽかぽか日向ぼっこをしているよう。のんびりするだけでなく、やる気も出てくる。宮仕えのいやなことも忘れることができる。」朝酒を飲んだことはありませんが、気持ち良さそうで、のんびりした様子が伝わってきます。


高校の漢文の授業以来、漢詩を読んでみようと思ったこともなかったのですが、白楽天は面白そうと思い手始めに買ってきたのがこの本です。白楽天の生涯の解説とその時々に作った詩を簡単に紹介してあるので、ざっくり概要を知るには良かったです。白楽天は官僚としても出世し、文人としても流行詩人としてもてはやされたそうで、日本の源氏物語などにも引用されるほど広い地域に、社会階層を問わず受け入れられたそうです。玄宗皇帝と楊貴妃を詠った長恨歌も白楽天の作品です。高校の時冬休みの宿題で暗唱させられました。よく内容を読んでみるとかなりきわどい。こんな艶かしい詩を高校生に暗唱させるとは。


楽天の詩は、この世の不幸を嘆くよりも、身の回りのちょっとした楽しいこと、おもしろいことを前向きにとりあげているので楽しそうです。さらにいろんな詩を読んでみたいと思ってます。

白楽天――官と隠のはざまで (岩波新書)

白楽天――官と隠のはざまで (岩波新書)