グレン・グールド パフォーマンスとメディア 著作集2
カナダのピアニスト、グレン・グールドの著作集。彼はある時期を境に一切のコンサート活動を止めてレコーディング活動やラジオ番組の制作に関わっていたそうだ。
http://d.hatena.ne.jp/benton/20111218/p1
この本の内容は、音楽用語がたくさん出てきて私にはわからない部分も多かった。コンサートを止めた理由については、
わたしがこのような考えに傾いたわけは、芸術の正当性を証明するものは芸術が人びとの心のなかに燃え上がらせる内なる燃焼であって、それを浅薄に露出させておおっぴらに誇示することではない、と信ずるからである。芸術の目的は、神経を興奮させるアドレナリンを瞬間的に射出させることでなく、むしろ、少しずつ、一生をかけて、わくわくする驚きと落ち着いた静けさの心的状態を構築していくことである。われわれはたったひとりでも聴くことができるラジオや蓄音機の働きを借りて、まったく急速に美的ナルシズムの諸要素を評価するようになってきているし、ひとりひとりが深く思いをめぐらせつつ自分自身の神性を創造するという課題に目覚めてもきている。
と語っている。
- 作者: グレングールド,ティムペイジ,野水瑞穂
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1990/11/01
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (2件) を見る