ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む
ウィトゲンシュタイン、名前はよく聞くけれど、読んだことなかったので、ちょっとかじってみた。
「我々はどれだけのことを考えられるか」という問いから議論が始まります。考えうることの限界、思考の限界を語ることはできるのか。
ところが、思考の限界というのは、まさに思考可能な領域と思考不可能な領域を分ける境界であるから、それが分断する両方の領域について考えるというわけにはいかない。思考の限界のこちら側は思考可能な領域。しかし、向こう側は思考不可能な領域なのである。思考不可能な領域を考えることは、できない。
私が日々出会う人やもの、事実があり、それらの事実に対応した「名」をつける。名を論理的にならべたり組み合わせたりして、いろんな事態を想像し語ることができる。そのようにして私が考えうることの全てを、私の「論理空間」といいます。論理を使って語るのですが、論理それ自体について語ろうとするとおかしなことになるといいます。
語りえぬものについては、沈黙せねばならない。
思考の限界や論理に加えて、倫理も語ることはできない、善、悪、幸福、価値、生の意義などは、語りえず、ただ示されるもの。
『論考』とは、いったいどういう著作なのか。
語りえぬが示されうるものの語りえなさを明らかにし、それを示そうとしたもの。とりあえずはそう言えるだろう。
もう一回丁寧に読んでみよう。
ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)
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