柿の葉寿司

秋祭りに柿の葉寿司を作ったと母から電話があったのでもらってきた。石川県加賀市あたりではお盆やお祭りの時に柿の葉寿司を作る習慣がある。柿の葉の上に酢飯と酢で〆た鯖か鮭をのせて、押し寿司にしたものだ。特に秋祭りには、その年にとれた新米を使うので格別だ。


柿の葉寿司を作るとなると、まず、柿の葉を採ってくるところから始まる。家の庭の柿の木から、大きくて肉厚の葉っぱを選んで採ってきて、一枚づつ布巾でほこりを拭き取る。気を使うのはご飯の水加減。少し固めに炊くのがおいしい。新米のときは、水を少なめに。鯖と鮭はあらかじめ酢で〆ておく。ご飯が炊けたら、半切りにあけて酢飯にする。時間がたつと酢が飛んでいくことを計算して少し強めに。酢飯は小さめの卵くらいのおむすびにまとめておく。


柿の葉に酢で〆た鯖と小さく切ったレモンを載せて、その上に酢飯を置いて鯖の上にひろげる。酢飯の上には、干しえびと青く染めた海草を載せる。海草はそれほどうまいものでもなく、柿の葉寿司でしかお目にかかったことがない。


出来たものを、順番にすし桶につめて重しをして、半日くらいすれば出来上がり。すぐに食べてもおいしいが、3日目くらいに鯖がよく熟れて、鯖の油がご飯にしみこんで黄色くなった頃もおいしい。ご飯の固さ、酢の効かせ具合、しめ鯖の加減など、毎回出来具合が変わるのが難しくも面白い。