大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか
機械が知能を持つようになると、いろんな仕事を機械が担うことになり、いろんなものが今よりも安く作られるようになる。当然機械に仕事を奪われるケースも出てくる。
今後希少となるものは、
1 よい土地と天然資源
2 知的財産(どういう商品をつくるべきかという優れたアイデア)
3 特殊な技能をもった優れた労働力
希少でないものは、
1 低技能の労働力(グローバル経済に加わる国が増えれば、そのような労働力の供給が増える)
2 銀行預金や国内などの形で保有されている資金(これらは特別な権利を伴わない「単純な」資本だ。これらが希少でない証拠に、今日、実質ベースの利回りはゼロ、もしくはマイナスになっている。)
機械を操って、何かを出来る人や、複雑化し巨大になった組織を運営するマネージャーはますます希少になり高い収入を得るようになる。一方、機械にもできるような単純な仕事、手順に則ってこなすだけの単純な仕事の価値は下がり、所得は二極化する。だからといって対立が深まり社会が不安定になるかというとそうでもない。機械化によって生活コストも安くなり、誰もがそこそこの生活をできるようになるというのが著者の見立て。