エルパソ

休みの日になると娘が友達を家に呼んで遊ぶので、私はなんとなく家に居づらい。妻も友達を家に呼んで味噌作りやら、なんやらとやるので、私はなんとなく家に居づらい。そういう時は、本を2、3冊かばんにつめて散歩に出かける。玉川図書館に籠って、本を読むこともあれば、喫茶店をハシゴして一日過ごすこともある。近江町市場近くの東出珈琲とコメダ珈琲、横安江町のキュリオと下堤町のドトールを巡回する。ドトールは近所のお年寄りも立ち寄るようで、肩の力が抜けていて居心地が良い。


今日も、娘が午後に友達をつれて帰ってきたので、散歩に出かけた。来週にせまった新幹線開業の前に、東山の様子を見に行くことにした。ここ数年で随分観光客が増えたと思っていたが、今日も大にぎわい。新しいお店もまた増えている。金沢の有名どころのお店は、みなさん東山界隈に出店したんじゃないだろうか。


にぎやかな通りをぐるっと回ったあと、東山2丁目の蓮昌寺の麓にあるエルパソに向かう。細い路地のどんづまりにある小さなケーキ屋さんだ。一応駐車場はあるけれど、本当に道がせまいので車で行かないほうがいい。ここは、土日だけ作っているという焼き菓子がいい。今日はデコポンのタルトとコーヒーをお願いして、2階のカフェスペースにあがる。正面の窓から外の景色も見えるけれど適度な囲まれ感があって落ち着く。近所のおばあさんや、小学生がケーキを買いに来ている様子を聞きながら、半分本を読んで半分うとうとしながら1時間ほど過ごす。お店の人によると、平日の夕方には、サラリーマン風の男の人がふらっと一人で来てケーキ食べて行くそうだ。そうしたくなるのがよくわかるくらい居心地がいいところだ。


仕事帰りのおでんもいいけど、仕事帰りのひとりケーキもいいかもしれない。