岩波講座 日本歴史 第6巻 第7巻
第6巻は院政期から治承・寿永の乱、鎌倉幕府の成立あたり。第7巻は鎌倉時代と建武の新政を扱う。治承・寿永の乱というのは源平の戦いのこと。最近はこういうらしい。
律令体制が確立したのち、権力の中心は、天皇家から、摂関家、院、武家政権へ移行する。武家政権の中でも、平家から鎌倉幕府へ入れ替わる。鎌倉幕府内でも源氏の将軍は頼朝から実朝までの三代と途絶えてしまい、その後は京都の公家を将軍として迎え入れ、北条氏が実験を握る。天皇家も皇位継承を巡って南朝と北朝に分裂する。さらに、有力寺社は全国に荘園を確保し隠然たる勢力を誇る。
西暦でいうと900年ごろから1300年ころまでの400年間、室町時代までいれると1500年までの600年間。権力の中心は常に空洞化、分裂に向かう。不思議なのはその間にだれも、天皇家に代わる存在になろうとしないこと。北条氏は執権として権力を握りながらも、天皇、将軍を制度としてそのまま残している。
律令体制が崩壊し、公家、武家、寺社が並び立ち、それぞれが地域ごとにさらに細分化して支配する。そして戦国時代を経て、徳川家が全国統一を完成させる。というのがざっくりとした、古代から中世のイメージ。様々な勢力が並立する中で、中世の人々にとって支配者とはどんな存在だったのだろうか。当時の時代の気分、感覚を知りたいと思った。