罪と罰

 貧しさのため大学をやめざるをえなくなったラスコーリニコフが金貸しの老婆とその妹を斧で殺害する。何故か。

 

社会の役に立たない老婆を殺して金を奪えば、そのお金で将来有望な若者が大学に通うことができる。偉大な目的のためには小さな悪は正当化される。歴史上の英雄は使命を果たすために軍隊を率いて何万人も殺しているじゃないか。

 

綿密に計画をたてて冷静に行動へ移したつもりが、犯行直後からラスコーリニコフは混乱し逆上してしまう。

 

学生時代にロシア文学ぐらい読んでおこうと文庫本を買ったものの、自分の部屋で悶々とするラスコーリニコフの暮らしが、大学生にも行かずかといってバイトするわけでもなく、下宿に引きこもっていた自分の状況とあまりに似ていて、重苦しくなって途中で読むのをやめたのだ。

 

実家の本棚で見つけて今さらながらだけど読んでみた。上巻はラスコーリニコフの心理描写が延々と続き退屈なところもあるけれど、下巻は一気に話が展開してぐいぐい引き込まれた。次は『カラマーゾフの兄弟』を読みたい。

 

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

罪と罰〈上〉 (新潮文庫)

 

 

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)

罪と罰〈下〉 (新潮文庫)