原始仏典 第六巻 中部経典Ⅲ

 梵摩経に不思議な場面がでてくる。

 

ゴータマ尊者が悟った人であるなら、バラモン聖典で昔から伝えられている、偉大な人が持つ32の身体的特徴の全てを備えているはずなので、実際にゴータマ尊者に会って確かめに行く話だ。32のうち30は外から見てわかる特徴なので確認できたのだが、2つは外見からはわからない。それを察したゴータマ尊者は、それとなく、その2つを確認させてやったという。

 

その2つの特徴とは、広く長い舌を持っていることと、男性のしるしが体の中に隠れていること。ゴータマ尊者は舌を出して両方の耳の孔に交互にふれ、両方の鼻の孔に交互にふれて、さらに額を舌で完全に覆ってしまったそうだ。男性のしるしについては、神通力で示したとしか書かれていない。

 

長い舌を出して耳の穴を舐める釈尊の姿、不気味だ。長広舌をふるうという言い回しの語源だそうだ。ベラベラとしゃべり続ける事なのであまり良い意味ではないけれど。

 

キンティ経では、教団内での論争や仲間割れが発生した場合の対処方法が述べられている。ある人が教団の決め事を犯して、他の人に迷惑をかけるようなことがあった場合、この人を悪から立ち直らせ、善に向かわせることができるのであれば、叱責することは適切である。しかし、立ち直らせることができないのであれば、このような人に対して無関心となり、関わりを持つべきでないと説く。

 

面倒な人には近寄らないのが一番てこと。