秋祭り

実家の母親から、秋祭りの赤飯を用意したから取りに来るようにと電話があった。今年はコロナでお祭りの輪踊りや獅子舞など行事は中止なのだが、母は、赤飯と昆布巻きはどうしても準備したいらしい。土曜日の朝9時に部活へ出かける娘を学校まで車で送り届け、そのまま加賀市の実家へ向かう。いつもなら高速道路を使うところだが、今朝は秋晴れ、青空が広がりまことに気分がいいので、加賀産業道路でゆっくり行くことにした。iPadに入っているお気に入りリストの音楽を大音量でかける。子供達と一緒だとあまりに古い音楽をかけるのは遠慮してしまう。妻がいると音量も控えめにと注意される。中島みゆき、The blue harts、井上陽水ちあきなおみエレファントカシマシ、などなど大声で歌いながら運転するのは気分いいものだ。
 
10時ごろに実家に到着。赤飯はすでに届いていたのだが、母はいなり寿司も作りたいので、スーパーへ油揚げを買いに行くので一緒に来るようにとのこと。二人で片山津のスーパー、マルエーへ行く。お稲荷さん用の油揚げを32枚と、いりごま、お供えの大福と月餅、母の朝食用のヨーグルトを買った。
 
実家に戻ると、今度は、弟夫婦が飼っている柴犬を預かっているので、散歩に連れて行けとの指令。弟はどうしたのかと聞くと、ゴルフに行ったとのこと。弟は2年ほど前からゴルフを始めて、最近は毎週のようにコースに出ているらしい。
 
犬を散歩へ連れて行くために、リードをつけようとするのだが、犬が嫌がってつけさせてくれない。母と二人掛かりで犬を抑え込んでようやくリードを装着できた。散歩に行きたいくせにリードを嫌がるとは面倒な犬。
 
海に向かって歩き始めると、早く先に進みたいと、強引にリードを引っ張って走り出そうとするので、その度に思いっきりリードを引き戻して怖い顔をする。2、3回そんなことを繰り返すと、ようやくどちらが偉いかわかったらしく、おとなしく私の横を、私のペースに合わせて歩くようになった。物分りが良くてよろしい。
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海岸沿いの防波堤に沿って歩くために、幅1メートルほどの溝を跨がなければ行けないのだが、この犬、怖がってジャンプして飛び越えようとしない。仕方ないので、遠回りして溝を迂回して防波堤にたどり着く。よほど過保護に育てられたのだろう。何かと手間のかかる犬だ。
 
透き通るような青空にこんもりした雲が規則正しく浮かんでいる。海も穏やか、風は涼しい。ついこの前までの35度を超えるうだるような暑さが嘘のようだ。防波堤の上を500メートルほど、隣町まで歩く。途中で観光で来たと思われる外国人のマウンテンバイクの集団に追い抜かれる。外国人の観光客も戻って来たのだろうか。大きな声で、「こんにちわ。」と挨拶されたので、「こんにちは。」と応える。
 
犬は、家を出るときは我先にと走り出すくらい元気だったのに、30分ほど歩くと疲れてしまったようだ。私の後ろをはぁーlはー息をあげて、なんとかついて来る。普段あまり運動してないようだ。
 
帰り道に、お彼岸なので、集落の墓地へ立ち寄って父の墓参りをした。海から墓地へ向かう道は、あまり歩く人がいないようで、松の倒木が何箇所かあって、倒木を飛び越えるなり、下をくぐるなりしなければ先へ進めなくなっていた。犬も飛び越えられるだろうと、私が倒木を跨いで行こうとすると、立ち止まって後ずさりして、なかなか先へ進めない。仕方ないので犬を抱きかかえて運ばざるを得ない。本当に世話がやける犬だ。
 
墓地には誰もいない。犬と一緒に墓参りして実家に帰る。
 
実家に戻ると母がおいなりさん用の油揚げを炊き上げて、扇風機の風を当てて冷ましていた。犬は普段よりもよほど長く歩いたらしく、冷房の効いた部屋でぐったり横になって昼寝し始めた。
 
お稲荷さんと赤飯、昆布巻きにワラビと油揚げの煮物で簡単に昼ごはんにする。食後30分ほど昼寝をしてから、金沢に戻って来た。
 
帰りも一般道を大声で歌いながら運転した。たまには、一人っきりになって歌いながら運転するのも楽しいもんだ。
 
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