素数の音楽

2、3、5、7、11、13・・・・・・
素数について私が知ってることといえば、学校で素因数分解に苦労したこと。気まぐれに出現するなぁ。くらいか。この本はそんな素数に規則性を見出そうと苦闘してきた数学者の歴史です。


まず、ガウス素数の出現する頻度に着目するところから、話しがはじまります。1からある数Nまででいえば、だいたいlog(N)につき1つは素数。ランダムに出現すると思われていた素数に規則性の手がかりを見つけます。さらに、ゼータ関数を使えば素数の出現頻度をさらに正確に予想することがでることがわかる。ゼータ関数のゼロ点がx=1/2上にしかないであろうというリーマン予想につながります。


リーマン予想を証明しようと多くの数学者が苦闘するなかで、量子力学における、電子のエネルギー順位を計算する方法とのつながり、カオス理論とのつながりなど、単なる数列が宇宙の成り立ちの核心につながっていきます。


ともっともらいしい事書いてますが、本書に登場する数学の内容、私はよくわかっていません。でも、十分楽しめます。20世紀の量子力学や数学の有名人、エレガントな宇宙、フェルマーの最終定理の登場人物らがつぎつぎと関わってきます。特にプリンストン高等研究所で、偶然居合わせた、物理学者のフリーマンダイソンに、アイディアを話したところ、量子力学で現れるパターンと、ゼロ点が現れるパターンがそっくりだったことがわかるなど、意外な展開にわくわくします。
エレガントな宇宙:http://d.hatena.ne.jp/benton/20070505/p1
宇宙を織りなすもの上:http://d.hatena.ne.jp/benton/20100619/p1
宇宙を織りなすもの下:http://d.hatena.ne.jp/benton/20100724/p1
フェルマーの最終定理:http://d.hatena.ne.jp/benton/20060329/p1
フリーマン・ダイソンの息子さんについての本
宇宙船とカヌー:http://d.hatena.ne.jp/benton/20081111/p1


インターネットで送る情報の暗号化には、巨大な素数、60桁の素数を2つ掛け合わせたものをキーとして使っているとか、カリフォルニアの電器屋さん、Fly'sリーマン予想証明ためのスポンサーになってたというのも興味深いです。


ちなみに、リーマン予想はまだ証明されていないそうです。

素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)

素数の音楽 (新潮クレスト・ブックス)