熱にうなされ猫定

先週の水曜日、仕事から帰ってきて晩ごはんを食べて、テレビを見ていると体の調子がどうもおかしい。風邪をひいたような予感がして、早めにシャワーを浴びてベッドに入った。9時頃、頭痛を感じ、体温を測ると37.5度。やはり風邪か、明日までに直さなきゃと思い部屋を暗くして本格的に寝る。2時間ほどたって顔が火照るのを感じて、再度検温すると、38.5度。さらに1時間後に計ると、39.5度。これはなんだか尋常ではない。もしかしてコロナにかかったか、と思い、妻には別の部屋で寝るようにいって、朝まで寝たり起きたりを繰り返し悶々と過ごす。
 
朝7時から、県の発熱相談センターに電話してみるが全くつながらない。3時間ほど何度もかけてみたが、「只今混み合っておりますので、しばらくしてからおかけなおしください。」のアナウンスを聞くばかり。妻も仕事に行けないし、娘も高校にいけない。なんとかPCR検査を早くして白黒はっきりしなければと思い、しばらく電話をかけ続けるが全くつながらない。
 
仕方ないので、近所の病院に直接電話して、昨晩から高熱が続いていることを告げると、すぐ来てくださいとの指示。さっそく、着替えて念の為歩いて病院に向かう。発熱外来コーナーに通されて、問診票を記入し、体温と酸素飽和度を計測。体温は39度、酸素飽和度は96%。しばらく待って屋外のテントへ案内され、鼻の穴に綿棒を突っ込んで検体をとってPCR検査をしてもらう。この病院でやっているのは、NEAR法という種類のPCR検査。30分ほどで結果がわかるということで、待合室で待機。県外にでたり、外食もしていないし、どこで感染したのか、陽性だったら職場へ2週間分の行動履歴を提出しなきゃいけない、先週から打ち合わせで沢山の人にあっているので、全部書き出すだけで大変だ。娘もしばらく学校にいけなくなるし、合唱部の練習も中止になるのか。当然、妻も仕事休まなければいけない。
 
などと、陽性になったらどうしようと、心配の種がどんどんふくらむ。待合室に掲示されている文書によると、陽性になったら病院から保健所へ連絡されて、私は保健所から連絡があるまで自宅待機になるそうだ。妻と娘を感染させていませんように。と、祈るような気持ちで結果を待つ。
 
30分ほどで呼び出され、診察しつへ入る。若い男性の先生がモニターを見ながら話しかける。
「昨日のお昼ぐらいから、尿が出にくくなったそうですが、今はどうですか。」
「今も、おしっこすると痛くて、出にくいです。頻尿です。」
「鼠径部や背中に痛みはないですか?」
「痛いというほではないけど、違和感あります。」
なかなか、検査の結果を言ってくれないので、こちらから「どうでしたか?」と聞くと、あっさい
「陰性でした。」と結果を書いた紙を渡してくれた。
 
ひとまずは安心したものの、今度はこの高熱の原因が気になる。先生はあれこれ聞いてくれた割には、「泌尿器系の病気かもしれませんが、しばらく様子見ましょう。解熱剤をだしときます。」ということで診察は終了。
 
薬局で薬をもらって帰宅し、妻に陰性だったことを伝える。職場にも電話して事情を説明する。もしものことも考えて、熱が下がるまでは家庭内隔離で過ごす。あいかわらず38度台後半の体温なので、ベッドに潜り込んで寝る。ネットでおしっこが出にくくなる症状を検索すると、どうも膀胱炎らしい。確かに、昨日の午後から急におしっこに何度も行きたくなり、トイレに行くんだけど少量しかでない。しかも尿を出すときに痛かった。
 
しばらく様子みるしかないかとあきらめて寝る。木曜日はずっと38度台。金曜日の明け方にようやく37度台になり、おしっこの具合もかなり回復した。金曜の夕方にはようやく36度台にもどり体も楽になる。
 
コロナのワクチン2回めの接種が土曜の朝で予約してあったので、厚労省の相談窓口に電話して、どうすればよいか聞く。土曜の朝に平熱であればワクチンうってもよいとのこと。副反応で発熱したら再び発熱したらつらいなと思いつつ寝る。
 
土曜日は午前9時30分に近所の医院でワクチン接種。ファイザー社製なので副反応は軽いといいなと思いつつ帰宅。昼ごはんを食べて夕方までは普通に過ごしていたが、6時ごろから発熱。6時には37度だっったが、7時には、38度、8時には39度、9時に39度5分と天井知らずにあがっていく。体はそんなに辛くはないが、39度超えにはびっくりした。とにかく寝る。
 
日曜日の朝は38度台、午後に37度台、夜になってようやく平熱にもどった。
 
月曜日は少し体がだるかったが出勤した。頭がぼーっとして仕事が手につかなかったが、なんとか一日過ごす。火曜日も同じ。水曜日になってようやく体調がもとに戻った。
 
水曜日から日曜日まで、断続的に5日間、高熱が続いたからなのか体力をかなり消耗した。体重は2キロほど減っていた。
 
ベッドに横になっている間に本をたっぷり読めると思っていたが、38度以上になると、本を読もうという気にもならない。せめて、Youtubeでお笑いの動画を見ようかとも思ったが、大きな声でツッコミを入れるところが頭にガンガン響いて耐えられない。落語なら大丈夫と思い志ん朝の,唐茄子屋政談を聞いてみるが声の甲高いところが響いてつらい。なんとか最後まで通しで聞けたのが、三遊亭圓生の猫定。ボソボソと静かに語るので染みるように頭に入っていった。